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第七話
中はロケットの格納庫のようなところだ。
以前は、国同士で戦争をする際に使っていたのかもしれない。
それも数百年も昔のことだろうが。
昔使っていたであろう計器の数々は、今や蔦に覆われている。
きっと、何かを打ち上げるということは、できないほどに侵食が進んでいるように見えた。
その隅にある管理用にしては大きい通路を通っていく。
「どこに連れていくんだ」
俺は不安になってTeroに聞く。
「今、この地球には、私とあなたの2人しか、人類はいません。私は量子コンピューター、人類とはいえないかもしれませんが、それでも当人は人類と思っています」
話が噛み合っていないように感じる。
「それで、どこに連れて行こうとしてるんだ」
「私の住まいに」
ようやく話が通じた。