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第二十三話
歩き続けていると、唐突に向日葵がいなくなる。
畑の終わりは、通路の入り口のすぐそばだった。
少し残念ではあるが、いつかは終わるのは分かっていた。
俺が来たところには、向日葵なんて咲いていなかったからだ。
「こっちだよ」
科学が案内してくれている先は、確かに見慣れた入口があった。
地下のあの部屋へとつながっている入口だ。
こうしてみてみると、今まで見ていた地下通路よりも新しく、もしかしたら、数年以内にできたのではないかと思うほどだ。
なにせ、ツタの類が一切ついていないからだ。
「お母さんが呼んでるよ」
そういう科学に服のすそを引っ張られながら、その扉をくぐっていった。




