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第十五話
どこに行くかを悩んでいると、お供ロボットが地図を表示してくれた。
「ああ、ありがとう…」
地図は、意外に広域のものだった。
「もっとこの辺りのものはないか」
10万分の1の地図なんて、今のままだと役に立たない。
俺が言うと、ロボットは急に縮尺を変えて、200分の1くらいのものを提示してくれた。
「そうそう、ありがとう」
声が出せれないのか、それとも無視しているのか。
ロボットは俺をずっと見ているだけだった。
地図は空中に表示されていて、そこの任意の地点を指でさすと、そこへの最短距離が表示されるという仕組みだった。
「ひまわり畑、それに第3号大深度地下トンネル鉄道、地下街って、この状況でも営業しているのか?」
ここから最寄りの地下に入るところは3bのAと書かれていた。
「んじゃ、ここまでの案内よろしく」
「カシコマリマシタ」
どうやら、ロボットは喋れるようだ。




