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  作者: 尚文産商堂


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第十三話

「これですね」

古びた一冊の本を出す。

買った時に適当に見ていただけで、それ以外は物置の奥底にしまわれ続けていたものだ。

今では使わなくても運転ができるようになった。

だからだろうか、表紙は綺麗なもので、変色も見られない。

「お借りしますね」

Teroが俺からその冊子を受け取るとすぐにページを手繰っていく。

その手もあるページで止まった。

「……分かりました」

パンと閉じ、冊子を返してきた。

「もう分かったのですか」

俺は驚いて聞く。

ザッと目を通したくらいで、何が分かったのだろうか。

「このエンジンの燃料が、焼き付いているようですね。これを取り除かないことには動くことはないでしょう」

「それって、すぐ直りますかね」

「どうでしょう。まずは中を見ないと」

どうやら、まだまだ地球にいないといけないようだ。

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