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第十二話
1週間経った。
俺は時折、宇宙船のところへと向かい、工事の状況を確認する。
スピーディーにうごめいている小さな羽虫のような機械の集合体は、迅速に故障個所を探しては、直していっているようだ。
「どうかしましたか」
Teroが、その様子を確認していたのか、機械の方を見ながら俺に話しかけてくる。
「いえ、ただ、手持ち無沙汰なので、ちょっと様子見に」
「ええ、構いませんよ。工事進捗率は約8割に達しました。ところが、ここからがどうにも難しいのです」
「難しい?」
「難しいのです。私が知らない駆動方式を、このエンジンが採用しているようなので、そのあたりを突き詰めていかないと、修繕は無理でしょう。どこかで事故を起こして、宇宙の藻屑となりたいのでしたら、止めはしませんが」
「取説がどっかにあったはずですが……」
「本当ですか。見せていただくことはできませんかね」
「いいですよ」
嬉しそうにしているTeroに、その取説をみせようと思い、宇宙船の中へと入った。




