04 ミニ王子ちゃん
瞬間、鳴り響く銃声とガラスの割れる音。どこからか投げ込まれた物から煙が噴出し教室中を覆っていく。そのすぐ後更に何回か銃声が響いた。
「くっ、みんな戦闘準備!身の安全を確保して、出入り口封鎖!」
会長の大きな声が響く中、煙で周りがよく見えない。しかも僕は手足も動かせなく……、ってあれ?手の縄が解放されている?どうしてだかわからないがラッキーだ、急いでギャグボールを外し足の縄を解こうとする。しかし縄は固く縛られ解けそうにない、くそっ。
僕が縄に苦戦していると何者かが僕の口にハンカチを当てて塞いできた。
「しっ!ぼくだ、助けにきた。」
そう言って足の縄をナイフで切り解放してくれた美少女ではなく美少年がそこにはいた。
朝の学ランちびすけちゃんなんでここに!
「その呼び名には不満しかないけどまあいいや、君を絶対助けると言ったでしょ?」
外見がとても可愛いのに相反して、ものすごくイケメンな台詞を聞いた。やばい、僕のイケメンスカウターが壊れてしまう。
「そのセーラー服については深く追求しないとして、早く逃げよう。」
そう言って僕の手を引き教室から出た。それはさながら姫を連れ出した王子のごとく、美少年とセーラー服の僕だった。まったく酷い絵面だ。
女子達はどうやら教室で大騒ぎしている、追ってこれないように何かしたんだろう。朝ステージに立ったときから常に思っている、
ほんとこの学校どうなってんだ……。
しばらく逃げひとまず空き教室にかくれて息を落ち着かせた。その時助けてくれた美少年ちゃんが自己紹介してくれた。この女の子と言われても疑わないくらい可愛い少年はこの学校の男子生徒会長で 秋晴 悠と言うらしい。
なんだかこの学校の生徒会制度は複雑みたいで男子と女子とで対立しているんだとか、それでこの悠が男子部の会長だというのだ、こんなに女の子っぽいのに。
そしてこの話の最終的な終着点として女子部の雫会長にも聞かれたあの質問にたどり着いた。
「君は男なんだから当然男子側だよね!まったく女子共には困っちゃうよねー」
当然自分は性別的には男な訳で男側であるべきなんだろうが女の子にモテモテの計画を立ててた僕なのだ、すごくもやもやした複雑な感情が正直ある。
郷に入れば郷に従えとは言ったものである、世の中にはどうしようもないことで溢れかえっているのだ。複雑な感情を噛み砕き飲み込んだ。
「そうだな、そもそも僕男だし」
そんな言葉が乾いた笑いと共に出てきていた、この笑いはまた諦めてしまう情けない自分に対する笑いなのかもしれない。
僕が男側を認めたからか、満点笑顔のハルカ会長が可愛いらしい。そんなことを思っていたら教室のドアが開き1人の女性が入ってきた。
紺色のレザーのパンツに紅色のシャツを着崩しその上から白衣を着ている、赤味がかった髪が頭の上のほうに雑な感じでまとめられている大人の女性。
「お陰で無事に救出できましたよ、ありがとうございます、先生!」
この大人カッコいい女性はどうやら先生らしい、この人の綺麗な瞳がずっとこちらを見ている。
「この先生は 詩季 伊檻先生で今回波風くんを助けるのに協力してくれたんだ。」
悠会長が紹介してくれ、先生はにっこりと柔らかい笑顔を見せ言った。
「ああ、無事救出できたみたいでよかったよ。って事で約束通り少しこいつを借りてくぞ、話があるついて来い。」
そう言うや否やスタスタと教室を出て行った。
僕は一瞬悠会長の事を見たがニコニコ笑っている天使がいるだけだった。
おかしな学校ではあるが先生からの呼び出しを無視するほど僕は荒れてはいない、慌てて先生に追いつくために教室を出た。
先生に追いつき先生と僕の2人になり廊下を歩いてる途中、先生は言った
「この学校について詳しく教えてやる、それを知ることはこの学校に転校してきた生徒の義務でありルールだ。お前がより良い学校生活を送るための最初の授業を始めよう!」




