表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/4

我、ご飯求む!中間

気が付くと私は空にいた。

目の前には広がる緑、その先には波打つ青、そして、それらを包むように慎ましく私の傍を流れる雲に、それはそれは穏やかさを感じた。

そして、私を照らす太陽の輝きが一層、私の心を温かくしてくれるのだ。

下から吹く強すぎる風さえも、なぜか心地よく感じてしまう。そんな場所で私の心は不思議と満たされしまう。自然というものはこんな力を持って―――え?

 下から風?え、てか、私、どこにいるんだっけ?あれ、これ落ちてね?

 確認の為、見上げていた顔を下に映す。

 そうすると、緑の山の上にある風車、その山のふもとにある町には人々が見え活気が伺える。見とれれば見とれるほどにその光景は大きく見やすくなっていった。

 ということは・・・・・・?あーこのまま行ったら森の中だなー。木の枝とかに引っかかったりしないかなー?あれって体に刺さったら痛そうだよね。あ、でも刺さって引っかかるって助かったりしないかなー。まぁ一地面に落ちたとしてもね、草生えてるし、柔らかいから大丈夫だよね?

 ね?・・・・・・いやぁぁぁぁぁ死んじゃうぅぅぅぅぅ!!

 え、ちょ、ちょ、え、どうしよう?どうしたら助かるの?これじゃただの出落ちじゃん!!

考えろ、考えるんだ。ほ、ほら軍隊とか降下作戦するときお尻から降りる感じでやってたじゃん!ほら、大丈夫だよ!

て、馬鹿か。パラシュートも無ければ、あたしゃただの高校三年生だよ。

 こんな一人コントしてる間にあ、あ、あー!あほな事考えてたらもう少しで地面だーーー!

「ぎぃぃやぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 叫びながらも私は、偶然落下地点にあるものを発見した!地面に木の葉が丁度よく敷き詰められていたのだ!

ふふふ、私は運が良い。空から落とされて地面にクッションがある確率などそう高くないはずだ。

 助かる!!やったぁ!もしかしたら漫画みたいにトランポリンのように跳ねて助かるかもしれない!!

 そうと分かるとこの急降下もパンジージャンプのように楽しくなってきた。

 うひょぉぉぉぉぉぉぉ!

 そして、木の葉のクッションにダイブした。

 しかし、私はそのクッションに違和感を覚えた。

 私はクッションに体が触れた瞬間、野性的感覚が感じたのか、僅かコンマ0.1秒。

木の葉のクッションの下には地面など無く、ただ木の枝が網目のように張り巡らされ、それは落とし穴であるという情報を察した!

―――だから、なんだというのだ。

「なんでクッションの下に落とし穴ぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 私は普通にそのまま落とし穴へと落ちていった。

 空から落ちてきてクッションだと思ったら落とし穴だった確率ってどのくらいなんだろうー?私は運が良いなーあははー。

「あーくっそぉ!なんの!!うぉぉぉぉぉぉぉ!!」

 私は壁に着くように両手、両足を広げ、壁と私の体の摩擦で落下の勢いを0にしようとする。そして。

「よっしゃ!止まった!」

......うん、大丈夫。私もなんで止まったのか戸惑っているから。

でも、このままでもしょうがないので。

「よいしょ、よいしょ、えっちらおっちら」

両手、両足をうまく使って、落とし穴から出ようと虫のごとく動かした。

「おーい!大丈夫ですかー!」

 上から男の声がしたので、それに答えた。

「たーすーけーてー!」

「分かった。今待っていてください!」

はっ!!この声質、イケメンだ!そうと分かっていれば媚びた声出したのに!

 そう考えた時、気が緩んでしまったのか、両手両足が壁から離れてしまったかのように思えた。

 しかし落ちることはなく、ただ私は浮いていた。

「え、え、え?な、なに?」

 私の戸惑いをそのままにして、上へと私は浮いていき、落とし穴から脱出した。

 脱出した後、浮いたまま落とし穴のない地面へと下ろされた。

「ど、どうなってるの?」

「私が魔法を使ったのです」

 声をかけられたほうを見ると、そこには実に私好みのイケメンがいた!

 ふふふー伊達にイケメンである声の特徴を研究していない!

 服装を見ると、一目で分かりやすく漫画であるような王子さまみたいな恰好をしていた。

「も、もしかしてあなたは王子様だったりするのですか?」

 そして、何故か私はそれをコスプレだとか思わず、受け入れ普段しない口調までした。

 私はここまで無意識レベルの猫被りだっただろうか?それよりこの王子様、宝石とか付けちゃってますよ、がめちゃおうかなー。

「そうだよ。私はこの国の王子です」

「あぁ、やっぱりそうなのですね!」

 いやいや待て。なぁ、待て。いろいろ待て。おかしいだろ?とりあえず待てよ、私の無意識。

いろいろおかしいだろ。都合が良すぎるだろ。

なぁ?

「なぜこんなところに?」

「たまたまさ。そしたら悲鳴が聞こえたものでして」

「そうなのですか、ありがとうございます」

「あなたはどうしてこのような場所に?」

 私も知らねぇよ

とは言えないので、いつから訴えているのか分からないが、空腹だったので。

「森へ食糧を取りに来たのです」

言ってから思った。空腹だからって森へ食糧取りに行くとか野蛮人かよ。

「......ほう、食糧ですか。それはどんなものでしょうか?」

ほらぁ、ちょっと怪しんでるじゃん!なんとか誤魔化さなければ。

「き、き木の実ですわ。ケーキ作りには欠かせないの」

「おぉ、そのようなものがあったとは」

う、うん。た、多分な。と心の中で呟いておく

「とてもおいしいのですのよ?おほほほ」

 ケーキなんて作ったことないけど、まぁいいや!

助けてもらったお礼にケーキでも振る舞って、狙え!玉の輿!

「それは一度口にしてみたいものですなぁ!ならそれを取り終えて早くここから町へ戻りましょう。ここはいささか危険なのです」

「......危険?」

「ええ、ここにーーー」

 王子が言葉を言い終わる前に、犬が吠えるような声が森中に響いた。

声のするほうを向くと、森を抜けた山の上のほうに一匹の犬が見えた。

 あの犬が吠えたのだろう。そして、その犬はこっちへと森を駆け抜けるように走ってきた。

「なんだ、犬か」

 つい素の言葉使いに戻ってしまった。

「ただの犬ではありません。あれはビッグウルフと呼ばれる化け物です」

「そんな化け物なんて大げさな。向かい撃ってやる」

「あ!早まってはいけません!」

 私は王子の言葉を聞かずに、犬が来るであろう場所へと走る。そして、向こうから木を掻き分け、向かってくる音を聞いた。

 だが、その近づいてくる音の大きさに違和感を覚えた。一匹の犬にしては大きすぎるのだ。声が大きいくらいならまだ何も思わない。

 しかし、これは本当に。

 少し考えれば気づけたはずだ。

 山の上にいるという離れた場所にいる状態で、普通の一匹の犬の大きさに見えた事に違和感を覚えることができれば、名前にちゃんと注意していれば。

 私はそのビックウルフとご対面した。

 ビックウルフの体格は、私の知っている犬とは10倍?20倍?もう大きくすぎて分からないが、口を開けば簡単に私なんぞ一口で飲み込んでしまえるくらい大きかった。

 私は失念していた。遠近法というものを!いや、遠近法って絵とかに使う言葉か?

 じゃあ、なんて言うんだ、遠近力?力ってなんだよ。

 ビックウルフはそのまま大きな口を開いた。

 私は大きさに体に力が入らなくなってしまい、ただ立っていることしかできなかった。

 あ、終わった・・・・・・

そう思い、大きな口が私を飲み込もうと瞬時に近づいてきた。しかし、それは私の目の前で止まった。

「大丈夫ですか?私が止めている間に早く離れてください!」

 王子様が魔法でビックウルフを止めていたのだ。

「長くは持ちません。早く!」

 私はつかさず王子様の背後へと逃げた。

「すいません、もうもちません!」

 魔法が持ちこたえられず、ビックウルフの口がこちらへ迫ってきた。

「おらぁ!」

 それはなんとなく予想できていたので、私は王子を横に蹴飛ばしその反動で私は王子とは逆側に飛んで、口を避けることができた。

「おぉ、この私を助けるためにそんな方法を!あなたは素晴らしい!」

 この王子様、都合の良い方向に考えてくれる!なんていい人なんだ!

 王子様は起き上がり、ビックウルフと向かい合う位置に立ち、私に言った。

「ここは私に任せて先に行け!」

 この人、そういうの好きなのかな?まぁいい。私もそのうち使わせてもらおう。

 私にはどうする事をできないので、そのままこの場から逃げることにした。

「ありがとう!」 

 私はビックウルフとは真逆の方向に走った。

 蹴る前に宝石がめておけばよかったな・・・・・・。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ