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冥界探偵 煉獄創  作者: 輝
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退屈な日常

 この世界はとてつもなく退屈だ。この世界には空気があるように、この世界には明日が存在する。それは命が終わるまで与えられる物だ。

 折角この世に生を宿したのだから、何か一つでもやり遂げたい。しかし何をやり遂げたらいいのか分からない。それは俺だけが思うことではないと思う。何故そう思うか分かりやすく説明すると、昔は作って楽しむという時代だったが、現代では作ってあるもので楽しむと思うからだ。何もかも揃った時代だからこそ感じる事だ。少なからず昔の人に比べて、想像、創造、創作のこの三つのうち一つはかけていると思う。その影響が、何をしたらいいか分からないという結果に導いていると思う。現代病と言うのか、贅沢病というのか、、、。

 いつからだろう。こんな捻くれた様な性格になってしまったのわ。

 そんな事を考えながら高校2年の最後の授業が終了した。明日からは春休みになる。春休みはいい物だ。なんと言っても宿題が無い。それをいい事に帰りのホームルームが終わると、あちらこちらで旅行の計画を建てている話し声が聞こえてくる。また、部活に所属してる人は最後の高総体に向けての意気込みを話あっている。

 「(さぁ。早く帰ろう。)」

 友達のいない俺にはそういった話は無縁だが、興味が無いわけではない。そういった話は楽しい物なのかと気になってはいるが、友達がいないので叶わぬ夢だった。だから今日も心の中で自分に言い聞かせ教室を出るのだった。

 「あれ?創もう帰るの?」

 「・・・」

 「ねぇってばー。」

 肩を突然叩かれた。振り返るとそこには金髪でお尻まで伸ばしたロングヘアーの似合う女子が立っていた。

 「やっと振り向いたー。」

 「あー。お前か。」

 「さっきから話しかけてるのに何で無視するのよー?」

 「普段名前とか呼ばれないから自分の名前すら忘れかけてたわ。」

 「う、、それ冗談でもきついよ。」

 彼女の名前は門場(もんば) 魔子(まこ)由一の小学校の頃からの知り合いだ。小中高まで一緒ってなるともはや腐れ縁なんじゃないかと思う。俺と違って友達も多く、明るく元気な子だ。そしてモテるらしい。目が大きく、くりくりしていて、色白で胸も大きい。小耳に挟んだ情報だとHカップはあるらしい。そかしなぜか彼氏が出来ない。

 「そんな事より今日でこのクラス最後だよ?みんなと話さなくていいの?」

 「最後って言ったって来月にはまた会うんだぞ?まぁクラスは違うけど。」

 ごもっともな回答をしたはずだ。だが、魔子は呆れた顔でため息をついた。

 「そんな捻くれた事考えてないで、誰かと話しておいでよ。ほらあの子とか可愛いじゃん。話しかければこっから発展して付き合えるかもよ!」

 こちらを見ながら指した指の先には、黒板消しで黒板を消している、ブジャイ〇だった。某アニメドラ〇もんに出てくるジャイア〇の妹の名前にブスのブを付けてブジャイ〇だ。それだけあって相当なブスだ。

 「あ、、お前の中でブジャイ〇は可愛い方なのか、、、。」

 「えっ、、!?あっ!?違う違う!さっきあそこにいたのにどこ行ったんだろう?」

 誤解を訂正すかの様に辺りを見渡して本命を探し出した。

 「お前その言い方失礼だぞ、、。まぁでもそれはそれでありなのかもな。」

 そうぼやくと、

 「えっ?」

 一瞬だったが、魔子は予期せぬ事が起きた時になるようなビックリした顔をした。

 「ん?どうした?」

 「いやいやいやなんでもない。」

 少し動揺している仕草だった。

 「あっ!いたいた。」

 どうやら本命を見つけたようだ。魔子が言っていた人物は白河さんと言う女子だった。おっとりとした人で、席が何回か隣になった事があった。何回か教科書を忘れた俺に、教科書を一緒に見させてくれたいい人だ。ちなみにこのクラスのマドンナ的存在だったらしい。今思うと、教科書を貸してもらう度に、男子からの殺意を感じたような。

 「あーあの子か。まぁでもいいよ。後一年で卒業だし。このまま友達作らなくても。それに女にも興味はない。そしてお前にもな。」

 「ちょ、、。」

 鋭く尖ったナイフのような言葉を残し創は去って行った。その言葉は、魔子の胸に突き刺さり、少し泣きそうな顔を浮かべながら俯いたのだった。


 


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