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第壱話 ー 其の拾四

やっと第壱話終了。

ーーー思い出して


ふと、そんな声が聞こえた。

なんの前触れもなく、誰かの声が聞こえた。

聞き覚えのない、まるで心当たりがない、少女のような声。少女なのか?耳から伝わってくる情報はひどく曖昧で、はっきりしない。


ーーー忘れないで


いったい何を?

返ってこない一方通行な声に、疑問を覚えたって仕方ないようだ。


ただ、とても、心に響いた。












「くっ…つ…ぐっ…!!」

「………」


なぜだろう?

殺してやりたくて仕方ないって、そう思っているのにひどく落ち着いてる。


力がみなぎるなんて、大変ありきたりな表現であるが、それ以上の表現が見つからない。


魂を力にするという魔呪、燃料が人の魂と言うのなら、それはきっと精神的・心理的に影響があるんだろう。


「…なによ、急に……!」

「……そうだな」


焦りが見られるその顔に改めて冷静になる。相手が落ち着いて対処してきたら、こちらの分が悪い。


「……はぁっ!!」


双刀を同時に振るい後方へと飛ばす。


「……我が疾走に障害はなく」


言葉が紡がれる。

聞き覚えのない、見覚えのない、けど確かに自分のものだと確信しかない。


「故に誰も、妨げることはできず」


その詠唱がなにを齎すか、知りはしないが理解できる。不思議なことに、親しみめいた感覚が湧き上がった。


「ーーー逃れられな(タイム)くと()も彼は駆ける(エスケイプ)!!」


そして瞬間、()()()()()()()()()


「…なっ!?」


この身が走り出したその瞬間に、鬼との距離は零となり、そのまま唖然とする鬼に刃を突き刺した。


「…Good By(さよなら、だ) , And Have (あの世で) A Nice (いい夢) Dream(見ろよ)


終わらせる。痛ぶる趣味はないから、すぐに片付けてやる。


「はぁぁぁぁあっ!!」


そして、斬り捨てた。


叫喚し鬼は光となり消えた。


「…はぁ…はぁ…っ……終わった」


終わりを得た代償はあまりにも大きかった。












「……悠太」


遙音の亡骸の側に項垂れる悠太に玲は声をかける。


「本当に……罪人になっちまった」


ポツリ、そう呟いた。


「選べなかった…選べるほど、強くなかった……」

「………」


悠太の眼から雫が落ちる。剣を振るっていた時よりも、大きく、多く、落ちる。


「………戦う」


だがその眼は悲哀で満ちてはいなかった。確かにその先を見据えていた。


「報われなくていい、救われなくていい。ずっと償い続ける……あまりにも犯した罪は大きいから」

「……うん」

「そのために生きる。それが俺に出来る唯一の贖罪だ」


生きねばならない。大事な人を殺してまで生きる道を選んだのだから。


「……けど」


でも、高校二年になったばかりの所詮子供。あまりにも今日という日は、彼にとって強烈過ぎた。


「今、は……泣いても…いい、よな……?」

「…うん」


そんな悠太を優しく玲は抱きしめた。


「……夜の桜って、こんなに綺麗なんだな」


月明かりに照らされた桜の下、少年の声が響いた。







第壱話


夜桜の下、彼は失いそして得た。


Fin

短めでしたが、これで第壱話終了。


やっぱり急展開だなぁ。もうちょっと濃く書けたらいいのですが。


ご感想・アドバイス、なんでもお待ちしています。ぜひ多くのコメントよろしくお願いします!!

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