ことわざ辞典
ことわざ辞典
・開いた口がふさがらない
顎の関節がはずれたのではないかと思われる。病気の可能性があるので歯医者に行くことが勧められる。
【使用例】「あいつ、開いた口がふさがってないぜ。呆れた奴だなあ」
・急がば回れ
急いでいるときには回り道をした方がかえって近い、という意味。しかしそうなると、回り道をするのは近道になってしまうので、そうしないほうがかえって近いことになる。しかしそうなると回り道をしないことをしないほうが(以下略)【類】嘘つきのパラドックス
【使用例】「このままじゃ学校に遅刻する、回り道しなきゃ。」
「いや、回り道しないことが回り道になるから…」
・絵に描いた餅
年賀状の図案をパソコンで作る現在、誰が何のためにもちの絵を描くというのか。転じて、そんなものが存在するはずないだろう、という意味。
【使用例】「与党はクリーンな政治を目指しているが、絵に描いた餅だ」
・大目玉を食う
鬼太郎に勝ちたければまずはそのブレイン的存在である父親(脳的な目、というのも変だ)を先に倒しなさい、ということ。
【類】将を射んと欲すればまず馬を射よ
【使用例】「西洋妖怪が勝つためにきみには大目玉を食ってほしい」
・蛍雪の功
蛍の光で読書していた人物が昼間に何をしていたかというと蛍を捕まえていた、という話(どうも実話らしい)から、どこかずれている、または本末転倒だ、の意味。
【使用例】「注目を集めたいからといって核実験を行うとは蛍雪の功だな」
・虎穴に入らずんば虎子を得ず
虎の巣にうっかり入らなければ虎子を押し付けられずにすんだのになあ、ということから、妙なところに口をはさまなければいらぬ厄介を背負うこともない、という意味。
【使用例】
「友人に恋愛相談されて適当にけしかけたら、ふられたそいつに八つ当たりされた。虎穴に入らずんば虎子を得ず」
・親しき仲にて礼儀あり
近頃の若者は敬語がわかっていない。覚えるには実際に何度も使ってみるのがいいが、公的な場で失敗したらコトだから、まずは親しい仲の人を相手に試してご覧、ということ。
【使用例】「親しき仲にて礼儀あり、というが、周りの大人も正しく使えないのでどうしようもない」
・心頭を滅却すれば火もまた熱くなし
心をすっかり無くす、つまり気絶状態においては熱さを認識できないので苦しくない。転じて、何が起きていても知らなければ怖くない、ということ。なお、「心頭を滅却すれば火もまた涼し」と言われることがあるが、涼しいと感じることもないため誤用である。
【類】知らぬが仏
【使用例】「………(気絶中)」
・前門の虎後門の狼
自分の家の前門を虎が、後門を狼が守ってくれたら泥棒に入られる心配がなく、安心である。転じて、絶対に安泰だ、という意味。
【使用例】
「医師免許を持っていて、もし処方を間違えて訴えられても本業が弁護士だからだいたい勝てるだろうって?おまけに親が政治家?前門の虎後門の狼だな」
・服触れ合うも多生の縁
服が触れ合っただけの若者が「わざと体ぶつけてきやがったな」とつけてくる因縁も一応縁であるのだから、恐喝されたら気前よく恵んでやろうじゃないか。転じて、不愉快な相手にこそ優しく接してみよう、ということ。
【類】汝の敵を愛せよ(ただし、「服触れ合うも~」の方が軽度の不愉快である)
【使用例】
「あの人は服触れ合うも多生の縁、を信条にしていて怒れば怒るほど笑顔で丁寧になっていくので怖い」
・ターザンの石
ターザンが森の獣と闘ったとき、近くに石がなかったために素手で闘うはめになり大怪我をした、という逸話から、この教訓を忘れるな、または非常時の準備は怠るな、という戒め。
【使用例】「彼の失敗をターザンの石とする」
・沈黙は金雄弁は銀
政治家は勇ましいことを言うと、結局言ったことを実現できなかったりマスコミや他党に揚げ足を取られたりしてうまくいかないことが多いので、何も言わずにいるのが利口だよ、ということ。
【使用例】
「あの議員は無闇に理想を口にして結局実現できずに随分株を下げた。沈黙は金雄弁は銀だな」
・爪に火を灯してみろ
火傷するだけだぞ。転じて、出来るものならやってみろ、またはやっても有害無益だからやめろ、ということ。
【類】爪の垢を煎じて飲んでみろ
【使用例】「あちゃちゃわちゃちゃちゃちゃちゃー!」
・敵は本能寺にあり
何事にも組織の陰謀を見て取る人のことを、諸悪の根源が本能寺にあるかのような態度だと揶揄していう言葉。「敵は本能寺にあり主義者」を略して敵本主義者という。
時と場所と相手をわきまえないと組織の一員として誹謗中傷される可能性があるので注意が必要である。
【使用例】
「あのテロの黒幕は、被害者面しているあの国だって?何馬鹿なことを言ってるんだ。君は敵本主義者か」
・時は金なり
だから時を稼ぐことが出来る。
【使用例】「時に臨んで時を選ばなかったので時を構わずに時を追うことができて時を忘れた」
・泣かぬならせめて笑おうホトトギス
態度をはっきりさせないのはいけない、ということ。なお、ホトトギスが鳥であるために「鳴く」と言われることがあるが誤用。
【使用例】「離党するのかしないのか、はっきりしたらどうだ。泣かぬならせめて笑おうホトトギス」
・歯無しの腰を折る
弱い者にも容赦をしない厳しさをいう言葉。【類】弱肉強食
【使用例】「歯無しの腰を折るのは世の習い」
・仏の顔もサンド
仏様の顔すらサンドバッグにしてしまう、ということから、無礼な人を指す言葉。【類】傍若無人
【使用例】
「自分の限界を知って辞任を決意した首相を責任の丸投げだと非難するとは仏の顔もサンドするやつだ」
・待てばカイロの日和あり
冬がくるのを待ちわびる意味の言葉。また、いつまでも楽な時期が続くことはなくすぐに苦難の時期がやってくる、という戒め。
【類】楽あれば苦あり【対】冬来たりなば春遠からじ
【使用例】「待てばカイロの日和あり、人生は甘くない」
・右にでる者がいない
野球でライト(右翼)のこと。
【使用例】
「鈴木のレーザービームでアウトになりました。解説の森田さん」
「いやあ、今の大リーガーで彼の右にでる者はいませんね」
・若い時の苦労は勝手にせよ
他人から若い時の苦労話を長々と聞かされて飽きてきたときに叫びたくなる言葉。転じて、話が長い人を揶揄する言葉。言ってもなおらず、かえって恨みを買うことが多いため面と向かって言わないほうがよい。
【使用例】「あの校長、若い時の苦労は勝手にせよ!」