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厨二病しかいない学園で、俺はどうやって正気でいられるか ~可愛いけど残念な美少女たちを普通に戻してみた~  作者: さめお


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ご褒美、始まりました。

文化祭の喧騒は、まだピークを迎えていた。

校舎のあちこちから「闇の叫び」や笑い声が響き、黒い幕や鎖の装飾が廊下を埋め尽くしている。

俺とエレナは、手を繋いだまま、二年の教室エリアに戻ってきた。

エレナの黒いワンピースが歩くたびに軽く揺れ、俺の指に絡んだ彼女の手が、少し汗ばんでいる。

さっきの生徒会メンバーのコスプレを見てから、エレナの歩き方が少しぎこちなくなっていた。

彼女は俺の横顔をちらちら見ながら、小さな声で言った。

「……みお。まだ……回る?」

俺は頷いて、彼女の手を軽く握り返した。

「うん。アリスのクラス、もう一回行ってみない?さっき、ちゃんと話せなかったし」

エレナは少し頰を赤らめて、俯いた。

「……そうね。アリス……元気そうだったけど……もう少し、顔を見たい」

二人は「闇の図書館」の看板がかかった教室へ向かった。

入り口では、黒い本棚が迷路のように並び、薄暗い照明が幻想的な雰囲気を醸し出している。

生徒たちが黒いローブやメイド服で本を運んだり、客を案内したりしている。

その中に、アリスがいた。

黒と白のクラシックなメイド服に、フリルのエプロン。

眼鏡はそのままで、髪をポニーテールにまとめ、頭に小さな白いカチューシャ。

彼女は客に紅茶を運んでいたが、俺たちに気づくと、トレイを持ったまま固まった。

「……みお……エレナ……また……来てくれたの?」

アリスの声が、少し震えている。

頰がほんのり赤い。

エレナが微笑んで、近づいた。

「……アリス。さっきはゆっくり話せなくて……ごめん。もう少し……一緒にいていい?」

アリスはトレイをカウンターに置いて、俺たちを見た。

瞳が少し潤んでいる。

彼女は小さく頷いて、いきなりエレナの手を取った。

「……うん。こっち……来て」

アリスはエレナを奥の仕切り席へ連れていく。

俺は少し離れて待っていた。

二人が仕切りの向こうで話す声が、かすかに聞こえる。

アリスの小さな声。

エレナの優しい返事。

俺は胸が温かくなった。

アリスはまだ、あの温泉の夜のことを気にしているんだろう。

でも、エレナと話せて、少し安心したみたいだ。

しばらくして、仕切りのカーテンが開いた。

そこに立っていたのは――メイド服姿のエレナだった。

黒と白のクラシックなメイド服。

フリルのエプロンが腰に巻かれ、頭に白いカチューシャ。

長い黒髪をポニーテールにまとめている。

彼女は顔を真っ赤にして、俺の前に立った。

スカートの裾をぎゅっと握り、膝を少し内股にしている。

「……みお……アリスに……着せられて……」

俺は一瞬、息を飲んだ。

エレナの普段の威厳ある雰囲気はどこへやら。

フリルが揺れるたびに、彼女の白い肌が覗く。

スカートの丈が膝上くらいで、細い脚が露わになっている。

胸元が少し開いていて、鎖骨がきれいに見える。

いつもは黒いリボンで隠れている首筋が、今日は無防備だ。

俺は思わず見とれてしまった。

一生の記憶に残る。

この姿は……絶対に忘れない。

「……エレナ……めっちゃ……可愛い」

エレナは耳まで赤くなって、目を逸らす。

「……っ!み、見るな……恥ずかしい……アリスが……強引に……」

アリスが後ろから顔を出して、頰を赤らめながら言う。

「……ごめん……でも……エレナ……似合ってる……みおも……そう思うよね?」

俺は頷いて、笑った。

「うん。めっちゃ似合ってる。エレナ……最高だよ」

エレナはさらに赤くなって、

「……もう……!みおの……馬鹿……!」

でも、口元が緩んでいる。

俺はふと思いついて、悪戯心が湧いた。

エレナに「普通」を教えるチャンスだ。

「……エレナ。メイド服着たら……普通は、こう言うんだよ」

俺は少し声を高くして、猫のポーズをしながら言った。

「おかえりなさい!ご主人様!にゃん!」

エレナは目を丸くした。

「……にゃん……?」

俺は真剣な顔で続ける。

「うん。メイドカフェの定番だよ。可愛く言うのが普通」

エレナは一瞬迷ったが、俺の目を見て、意を決したように頷く。

彼女は深呼吸して、両手を頰に当て、猫のポーズを取った。

声が少し上ずる。

「……お、おかえりなさい……ご主人様……にゃん……」

俺は胸が熱くなった。

エレナの赤い頰。

震える声。

猫ポーズ。

一生の記憶に残る。

俺は思わず笑って、彼女を抱きしめた。

「……可愛すぎる……エレナ、ありがとう」

エレナは俺の胸に顔を埋めて、

「……もう……二度と……言わない……恥ずかしい……」

でも、彼女の腕が、俺の背中に回る。

アリスが後ろで小さく微笑んでいる。

俺はエレナの髪を撫でながら、思った。

この瞬間が、永遠に続けばいいのに。

文化祭は、まだ続く。

俺たちは、手を繋いで、次の教室へ向かった。

エレナのメイド服が、歩くたびに揺れる。


第二十三話です!ありがとうございました!おそくなってすいません!

短くなってしまいましたが区切りがついたので、次回は文化祭と言えばのイベントをやりたいとおもうのでお楽しみに!


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