EP2-2(結羽と苺)
なんか教室の空気が淀んでるなぁ。原因はあの二人から湧き出る負のオーラね、きっと。
駿ちゃんはどうせフラれたショックとかでしょうけどなんで早瀬さんまで??
クラスメイトとして、同じ陸上部員としてほっとけないわ!!
「早瀬さん。おっはよー!」
「あ。おはよう、吉野さん。」
「私の事は苺でいいって。前にも言ったじゃん。」
「うん、そうだったね。ごめん。」
「謝らなくてもいいって。それよりなんか今日元気なくない?」
「え!?そんな風に見える?」
「見えるってか感じる。もしかして昨日あのバカになんかされた?」
クラスでもう一人のマイナスオーラ全開野郎を指さすと、彼女は顔を覆って机に伏せてしまった。
「やっぱり駿ちゃんになんかされたのね!?私が話しつけてきてあげる!」
「待って!違うの…。もしかして昨日の放課後、私達のこと…見てた?」
「見てはないよ。ただあのバカが早瀬さんにコクるんだって盛り上がってたから。それでなんか関係あるのかなぁって思って。」
「じゃあ、何があったか見てはないんだよね?」
「覗き見するような趣味はないってば。それに結果わかってるのに見てもつまんないし。」
「え?」
「早瀬さんみたいな美人と駿ちゃんじゃ釣り合わないもん。あいつも落ち込んでるみたいだけど別に早瀬さんが気にすることないない。」
「…うん。」
「またそんな顔して!そうだ!!放課後一緒に駅前のファミレスに行かない?期間限定でスイーツ食べ放題のメニューがあるんだぁ。甘いモノ食べてたら嫌なこと忘れるよ♪」
「けど…」
「部活も今日はミーティングだけだし。もちろん私の奢りだから!ね?」
「じゃあお言葉に甘えて…(ほんまはあんまり気分じゃないけど。奢りてことはつまりタダ!!関西人はタダには弱いんやぁ)」
「決まり!!あっ、そろそろ授業始まるね。今から放課後が楽しみだ♪♪」