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ホルノーンは怖い国

一服した後はいろんな店を見て回ります。

目新しいと言うか、他の国と違ってこの国は装飾品の店が多いようです。

キラキラしたアクセサリーや、部屋に飾る小物、飾りボタンやピンなど。

デザインも豊富で、価格もお手頃です。


手に取ると、しっかりしたデザインの物でも重さを感じません。

キラキラしていますけど、宝石ではないようです。

特殊な素材なのでしょうか?

いくつか仕入れていきましょう。


ネックレスやブローチ、ピンバッジや飾りボタンなど、小物を色々購入して、マジックバッグへしまいました。


「武器などもですけど、キラキラした物が多いですね」

「我はキラキラには興味はないな。

肉や酒の方が興味深い」

「僕も!」

ブルースとシナトラならそうでしょうね。

ある程度買い物を済ませて宿へ向かいました。


私は部屋へ行き、一旦マジックバッグの中身を全部出し、アイテムボックスへ入れる物を仕分けしていきます。

チャックも隣のベッドにマジックバッグの中身を出して、荷物の整理をしています。


ブルースとシナトラは食堂で、購入してきたお酒を飲むそうです。

飲みすぎて叱られないと良いのですが。



物を出し入れするのに町中など人目のあるところでは、マジックバッグへ入れるようにとアインに言われています。

マジックバッグは珍しいと言えど、持っている人は居ますけど、アイテムボックスを使える人はほとんど居なく、国や上位の位の方々に目をつけられて、囲い込まれるそうなのです。


逆にお偉いさんと繋がりたい人は、年齢や人種関係なく、アイテムボックスを習得しようとするそうです。

私は勿論そんな気はこれっぽっちもないので、秘密にするのに賛成です。


アイテムボックスを習得して、色んなものを出し入れしているうちに、機能が増えたんですよ。

保温の赤い扉とチルドの青い扉は、時間経過が無いのですけど、常温で時間経過のある黄色の扉ご出来ました。


それとは別に、湿度管理バッチリな、三段のカラーボックスがいくつも並んだ部屋をイメージした白い扉…納戸ができました。


ティちゃんが言うにはこの納戸、更に熟練度が上がると、五段の多目的棚になるそうです。


そしてなんと驚いた事に、ゆくゆくは中に住めるようにまでになるとか。


時空魔法って凄いですねえ。

確かにこれは人に知られたら大きな騒ぎになりそうです。

使う場所を考えないといけませんね。

町中など、他人のいる場所では絶対にダメです。


こう言った知識を教えてくれるアインには、感謝の念が絶えませんね。

心の中でアインに感謝しながら、マジックバッグから出した物を、アイテムボックスへしまっていきます。


そう言えば買ったアクセサリー類ですけど、お店で素材を聞き忘れたので、鑑定してみましょう。


「鑑定」


[輝蛇きへびの鱗

希少種の輝蛇から取れる鱗。

一枚一枚が大きく、耐久性もある為、装飾品として加工されることが多い。 ]


へえ、蛇の鱗なんですね。

だから軽いんですか。

蛇の鱗などは小さな物だと思うんですけど、装飾品を作れる程の大きさのある鱗が取れるなんて、どんなに大きな蛇なんでしょう。


〈元の世界のオオアナコンダ位の大きさだよ 〉


ティちゃんがすかさず教えてくれます。

確か4メートル前後ですかねぇ。


〈でもあっちの蛇と違って鱗の大きさは10センチくらいだよ。

輝蛇は餌に魔力を流すと、その魔力に応じた色の鱗になるんだって。

だから人工的に育ててるんだよ。

でも巨大な蛇である事には変わんないから、普通は飼育できないんだ。

この国独自の産業なんだよ 〉


餌で色が変わるのはわかりました。

大型と言えど蛇なのでしたら、こんなに綺麗な鱗が取れるなら、他でも飼育できるのではないのでしょうか。


〈輝蛇は雑食で獰猛、しかも毒持ちで、締め上げて毒で弱らせ丸呑み、なんて被害が後を立たないんだよ。

とても飼い慣らせないんだ 〉


そ、それはちょっと難しそうですね。

この国の人は大丈夫なんですか?


〈ホルノーンの王族は蛇の亜人だから、出来ることなんだよ。

上位の殆んどが王家の血を引いてて、蛇の扱いはお手の物、って感じだから問題なく飼育できるんだ 〉


ほお、この国は蛇の亜人さんが治めているんですか。


〈そうだよ、王族は一夫多妻で、後宮合わせるとすんごい人数の奥さんが居て、子供をジャンジャン作って、あっちこっちに嫁にやったり婿に入れたりして国を広げてんだよ 〉


子供は侵略の道具ですか、イラッとしますね。


〈声に出して言えないけど、蛇なだけに執念深いし、毒に詳しくて、スルリと寄ってきて、気付けば取り込まれてる、って感じかな 〉


怖いですね。

絶対に近寄りたくありません。


〈婚姻関係になった国がそのままこの国の領土になるって、どう考えても洗脳かなんかでしょ。

意を唱える人達とか居ても、いつの間にか居なくなったり、意見を翻したりするんだって 〉


こ、怖いですね!

絶対に近寄りません!


〈だから用事が済んだらさっさと国を出た方がいいよ 〉


勿論です。

とっととずらかりますよ。

血を流さずに国取りって言っても、陰で何をしているのだか。

表立っていないだけで、戦争で戦って国を取るより余程怖いことをしていると思うんですけど。


でも、標的は王族や力を持った位の人たちだけなのだそうで、戦いに駆り出されたり、田畑を荒らされる事がない住民からしてみれば、ありがたいことかも知れませんね。

聞く限り、税金も軽くなり、広大な領土がある為、食料の量も種類も豊富で、一般人には過ごしやすい国なのだそうです。


税が安く食べる事に不自由がなければ人は集まる。

住民が増えれば税収も増える。

薄利多売な考えですかね。


人が増えて土地が足りなくなったら、近隣の国を吸収して領土を増やす。

そうする事でまた、人も納税も増える。

そして気付けば巨大国家…。


住民からすれば、いい国かも知れませんけど、私は住みたくはないですね。

なんか知らんけど怖ぇよ、念とか篭ってそうじゃね?

って感じですね。

クワバラクワバラ。

アイン「おや?気のせいですか、私の出番が減った様な…」

ブルース「お前の出番とは宿の予約係か?」

アイン「…………………」

無言で鞭を手にするアインを止める人は居なかった

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