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初めての魔法

しかし魔力ですか…こちらも検索してみましょう。

表示を消して画面に【魔力とは】と指先で書きました。


【魔力は、生きているなら、人でも動物でも誰でも持っているエネルギーだよ。

星も生きているから魔力はあるんだ。

体の中にあるものを魔力と呼んで、星の出した、空気中に漂っている魔力を【魔素】と呼ぶんだよ。

他には人が魔法を使う時に、魔力の残滓やら何やらかんやらや、漏れた魔力も魔素になるよ。

大きな魔法を使うときや、体内の魔力がなくなった時に、この魔素を取り入れれば回復するんだけど、これは練習しないと無理。

だから練習した方がいいと思うよ。

魔力と似たような物が他の世界にも有って【気】とか【チャクラ】とか【マナ】とか【フーリュ】とか【ササレ】とか【イド】なんて呼ばれているよ。

どれも基本は同じで、体の中にあるエネルギーを意識して、それを動かす事で見えない力を使うんだ。

さあ、体の中のエネルギーを感じてみよう】


魔力はわかりませんが、気はわかります。

一時期妻と太極拳をやっていましたから。

お恥ずかしながら、テレビの影響で、健康に良いと聞きまして、毎朝二人でやっていました。


気を感じることが、魔力を感じることと同じだと思えばいいのですよね?

私は目を閉じ、呼吸を整えて体内の気を感じます。

それを手に集めるようにして………さて、なんの魔法を発動しましょうか?


最初は水魔法がお勧めのようですが、水ですか……。

水で一番に思い浮かぶのが、鉢植えの花にジョウロで水を遣る妻です。

そのジョウロから出る水を思い浮かべながら右手を差し出し、言葉…呪文を口にします。


「水遣り!」


すると、掌から思い浮かべた通りの、シャワー状の水が出ています。

よくよく見てみると、掌から直接ではなく、掌からほんの少しの隙間を開けて、水が流れ出ています。

はて、この水はどこから来ているのでしょう?


………考えてもわかりませんね。

魔法とはこんな物なのだとしておきましょう。


その後も思い浮かべやすい魔法を試してみました。

風魔法の【隙間風】【扇風機】。

火魔法は、時代に逆らおうとやめられなかったタバコに使う【ライター】。

【キャンプファイヤー】は危なかったです。

山火事を起こすところでした。

土は思い浮かばなかったので、また今度。


『ぐうぅぅぅぅ〜』


…お腹が空きましたね、何か食べる物を探さないといけません。

広げた荷物を片付けなければ。

出した物をリュックに戻すだけなのですが、困ったことに入りません……。

なぜでしょう?出した物を戻しているだけですのに。


そう言えば妻と旅行へ行った時も、私が荷造りすると大荷物になるのに、妻がチョチョイと詰め替えると、小さく纏まってしまうのですよね。

不思議ですねえ。


私は全てを入れるのを諦めて、ウエストポーチにナイフとドリンク剤、宝石の入った小袋を入れて、手拭いは一枚は首にかけ、一枚はズボンの後ろポケットに差し込み、もう一枚は頭に巻く事にしました。


健康ドリンクを鑑定してみたところ【ポーション】と出たので、タブレットで調べてみると、飲めば体力回復、傷にかければ傷薬として使える物のようです。

草は捨てていこうと思ったのですけれど、一応調べてみると【薬草・ポーションの原料の一つ】と出ました。

どうやらこれは捨てない方がいいみたいですので、これもポーチへ入れました。


何とか荷物は片付きましたけれど、リュックもポーチもパンパンです。

不思議ですねえ。



さて、いよいよ出発です。

妻に再び巡り合う旅の第一歩ですよ、年甲斐もなく心持ち浮かれてきます。

……けど、どこへ向かえばいいのでしょう?

ひとまず水辺を探しましょう。

その間に食べれる物を探せばいいですかね。

何しろ鑑定がありますから、食べられる物は見つけることが容易いでしょう。


ふふふふ、とても素晴らしい能力をいただきましたねえ。

あの二人には感謝です。

自分で選んでいたら、意味のわからない物は除外していたでしょうから。


私は手近な木の枝を切り、枝葉を落として、手拭いを一枚切り裂き包帯状にし、持ち手部分に巻き付けます。

振り抜くと空気を引き裂く音がします。

ふむ、適当に選びましたがました、なかなか丈夫そうです。


私はその枝で歩く先の地面を薙ぎながら進みます。

足元は草薮ですから、何が潜んでいるか分かりませんからね。

毒を持つ蛇などが居るかもしれません。

注意しながら進まないといけませんよね。


闇雲に歩いていましたけれど、体感的に30分ほど歩いた頃、水音が聞こえてきました。

私の感も捨てた物じゃあないですね。


河原でリュックを下ろし、川に手を入れてみると、澄んだ水はとても冷たく、喉の渇きを覚えました。

でも水は怖いですから、鑑定してみましたけれど、どうやら飲んでも大丈夫のようです。

コップ……は出すとまたしまうのが面倒なので、手ですくい喉の渇きを癒します。

冷たくてとても美味しいです。


喉の渇きが癒されると、空腹感が際立ちます。

しかし困りました。

川に魚はいるようですが、釣り道具もありませんし、有ったとしても釣りなどしたことはありません。

手で捕まえるなど、到底できるとは思えませんし。


川の近くの木の根もとに、食用可能なキノコが数種類生えているのです。

道中ただ歩くのもなんなので、食べられそうな物を鑑定しながら歩いていたのですよ。

キノコは生では食べられませんよね。


キノコ……筑前煮や和風パスタやホイル焼き、茶碗蒸しや味噌汁に入っていたり、鍋やシチューや炊き込みご飯、色々な料理に使われていましたよねえ。

妻がここに居れば、きっと美味しく料理してくれるのでしょう。


私はキノコを数個採ってきて、川で洗い、削った木の枝に刺した物をいくつか準備します。

適当に枝を積み上げ、魔法の【ライター】で火を付けたのですが、凄い煙に慌てて水魔法で火を消しました。

なんでしょう?煙の出る木なのですかねえ。


二度目の挑戦は、火魔法【コンロ】を左手に展開して、右手で串刺しにしたキノコを火に突っ込みました。

そして出来上がったのが、【元キノコの消炭、木の枝を添えて】です。


三度目の正直と、今度は【コンロ、弱火】で少し火から離して炙ってみました。

少々焦げましたが、何とか食べれる物ができたようです。


地面に座って食べてみました………生焼けです……。

おかしいですねえ、焦げているのに生焼けなんて。


結論、私に料理は無理です。


色々あって精神的に疲れたので、私はそこで横になりました。

決して不貞寝ではありませんよ。




造語が有りますが、気にしないでください…。

主人公の魔法はこの先もこんな感じです。

ゲームやらない、漫画も読まないと言う中年男性に、色々聞いたりしました。

オタク脳な自分なら、ファイアーボールとか、ウインドカッターとか浮かぶけど、ゲームしない中年には分からない……と思うので、こんな感じです。

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