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村で歓迎されました

翌朝は、近場になっている木の実や果物で簡単に朝食を済ませてから、亜人の暮らす村へ出発です。


歩きながらアインに村の事を教えてもらいました。

アインの住んでいた神殿(?)から一番近い亜人の村は、亜人のみで人族は居ないそうです。

森の恵みで生活をするので、純粋な人族では、少々生きていくには厳しいらしいです。


田畑を持たない村なので、もっと拓けた平原近くに住む村や町に、森の恵み(肉や魚や木の実、果物、野草にハーブなど)を売り、田畑の収穫物や加工品を仕入れ、生活を成り立たせているのだそうです。


亜人の方々は種族によって得意な事が変わるので、狩や採集の得意な種族が森や山に住む傾向があるのだそうです。

今向かっている村もそういった、狩などが得意な方々が多く住んでいる村なのです。


無性の方々に名前を与えられて、亜人となった方々の子孫の方々(方々、方々としつこいですかなえ)です。

どんな方々がいらっしゃるのでしょう。

新しい出会いが楽しみですね。



「あ!森の魔王様だ!」

「うわー、お母さん、魔王様が来たよー!」

村に近づくと、遊んでいた子供達が私達に気付き、駆け寄ってきます。

「魔王様、お久しぶりです!」

「まおーさま、あそびにきたの?」

「今日はいっぱい一緒なんだね、魔王様」

嬉しそうにはしゃぐ子供達に囲まれるアインは、とても人気者の様です。

はしゃぐ子供は本当に可愛いですねえ。


「森の魔王様、お久しゅうございます。

大したもてなしはできませんが、どうぞごゆっくりなさって下さい」

村の中きら出てきたのは、身長2メートルはゆうに越す、とても大柄の中年の男性です。

頭には丸いミミがちょこんと付いています。


「お連れの方々もどうぞ」

と、案内されたのは村の中心の家でした。

先程の大柄の中年男性は村のまとめ役のようです。


村人の殆どのミミは三角形でピンと立っています。

シッポから見て犬や猫狐などの獣人の様ですね。

後は一見人属の様ですけどシッポが有るので、猿の獣人でしゃう。

猿の獣人が採取、他の獣人が狩をしているのですかね。

村長 、っかりとした作りではなく、打ち付けられている木と木の隙間がかなり有りまして……外から覗き放題ですねえ。


「後で説明するからジロジロ見ない!」

小声でチャックに注意されてしまいました。


果実を絞ったフレッシュジュースと、お茶請けに干し肉を振舞われました……この世界ではこの組み合わせが普通なのでしょうか。

アインの前にはジュースと果物が置かれているのを見ると、気を遣ってくれたのかも知れませんが、少々微妙と言いますか………。


アインは熊?の獣人に、旅に出る事、分裂したので森は今まで通り、アイン(ヨルゼル)の配下にある事など、必要事項を伝えています。

どうやら【魔王】と言っても【魔族の王様】と言うわけではなく、【広大な森を治めている種族が魔族の王様、略して魔王】の様ですね。


アインはまだ話があるそうなので、私達は別行動で食糧などの調達に行く事にしました。


「必要な物が有れば何でも持って行って下さい。

献上させていただきますので、代金は必要じゃありませんよ」

と言われましたけど、モヤモヤします。

アインが治める土地なもしれませんけど、私達はただの通りすがりです。

無償で品物を受け取るのは、何だか違う気がするのですけど…。


まとめ役(村長と呼んで良いのでしょうか?)の家を出ると、隙間から覗いていた子供達が、わらわらと集まって来ました。


「魔王様のお友達のおじさん達、買い物?」

「ぼくが連れて行ってあげる」

「私がお店教えるの!」

「干し肉なら母ちゃんのが一番美味いぞ」

「肉より果物が良いよね?私が案内してあげる」


ああ、本当に子供は可愛いですねえ。

「順番に案内してくれるかな」

子供達の頭を順番に撫でながら言うと、

「わかった!」

と声を揃えた返事が返ってきます。

本当に可愛い。


「おじさんは何の獣人?」

私の左手を引っ張って歩いている女の子が見上げてきます。

「おれわかるぜ!

ミミもシッポも無いからヘビの獣人だろ?」

右手を引っ張る男の子が得意げに言います。

「じゃあこっちのおじちゃんはトカゲ?」

ブルースに肩車をしてもらっている男の子が首を傾げています。


「ワハハハハ、そんな様なモノだ」

ブルースが笑いながら言うと、男の子は「当たった!」とはしゃいで、肩の上でぴょんぴょんしています。

本当に可愛いです。


「こっちのおじちゃんは……ネコ?」

「惜しい!

僕は森オオネコだよ」

「へーー!緑色なんだね」

「魔法が使えるからね」

胸を張ってシナトラが言うと、子供達は「スゲー!スゲー!」と大はしゃぎです。

本当に可愛いですね。


「お兄ちゃんは翼人?

初めて見た!」

子供達と殆ど背の高さの変わらないチャックは、唯一『お兄ちゃん呼び』です。

私は年寄りですし、ブルースはもっと長生きしていますけど、生まれて一年のシナトラは、子供達より年下だと思うのですけど、背が高いから『おじさん呼び』されていますね。

本人は気にしていないから良いですけど。

そんな大らかなシナトラは良い子ですねえ。


「オレはマネ鳥」

「変わった色してるから、お兄ちゃんも魔法使えるの?」

「………少しだけ」

「凄〜い!お兄ちゃん子供なのに魔法使えるんだね!」

「オレは大人だ!」

「え〜、俺よりも小さいじゃん」

「マネ鳥の大人は皆俺と同じ背の高さだよ!」

「え〜〜〜」

子供相手にムキになるチャックも可愛いらしいですね。


賑やかな子供達に案内されて、食糧や鍋や食器、着替えに雑貨などを分けていただきました。

やはり何も対価を払わないのは気が済みません。

私はこっそり子供達に宝石を渡しました。

「これは案内のお駄賃だよ。

でも今は内緒にしてて、僕達が村を出てから皆で分けてね」

「内緒?」

「そう、しーー、だよ」

人差し指を口の前に当てて「シーー」と言うと、クスクスと笑いながら子供達が真似をします。

子供は内緒話しが好きですからね。

あーーーー!本当に可愛らし過ぎます!

読んでいただきありがとうございます。


そろそろクリスマス、と言う事で、次回19日から一週間、25日まで、毎日連続投稿致します。

宜しければ読んでやってください。

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