断罪
※※※暴力シーン、人を処すシーンが出てきます。苦手な方はプラバして下さい※※※
「ジョニー、落ち着け」
背後から先輩に両肩を叩かれ、正気に戻った。
目の前の肉の塊は、身体中至る所から流血してる。
風魔法で切り刻んだせいで鋭い傷がそこら中に付いている。
腹が窪んでるのは、重力魔法だ。
このまま重力をかけると汚ねえ内臓が飛び散りそうだな。
重力魔法は解いて、氷魔法で手足を凍らせよう。
これなら動けないだろう。
部屋の隅には、先輩がやっつけてくれたのまろう、残りの二人が手足を潰されている。
「縄かなんか有るか?
逃げられないだろうけど、一応縛っといた方がいいだろう」
言われて、マジックバッグから出したロープを渡す。
俺は自分の痛めつけた肉の塊に近づく。
気は失っていない様で、動けない体を蠢かせ逃げようとしている。
なんとも醜悪な。
「命までは取らないでいてやろう。
だがな、二度目は無いぞ。
同じことを繰り返したなら、今度は骨も残さず燃やしてやるよ」
掌に青い炎を浮かべて、いろんな液体で汚れた顔に近付ける。
「や、やらな、い、 も、二度、と」
ガクガクと震えながら言うが、信じられんな。
「ああそうだ、二度と悪さができない様にすれば良いな」
俺は奴のズボンを風で引き裂き、露わになった汚ねえブツを、狙いをつけて魔法で潰した。
「………!!………………!!!!!」
声にならない悲鳴を上げて、気を失った肉の塊から目を逸らせ、残りの二人を見やると、白い顔をしてガタガタと震えている。
「ノーミソ弄って性欲消せれば良いけど、出来ないからね、タマ潰せば変な気も起こさねえだろ?
「ま!…待て!止めろ!」
「金ならいくらでもやるから、止めてくれ!」
「ち、地位はどうだ?
位を持ちたく無いか?」
「吾輩の娘をやろう、大人しくてなんでも言うこと聞くぞ」
「うちの息子はどうだ?そこいらの女より綺麗だぞ」
グダグダグダグダ、しょうもない事を言ってるクズども。
何が原因だか分かってないのか、自分の子供まで利用しようと言うのか?
自分達が金と地位と性欲に執着してるからって、それを差し出せば助かるとでも思ってんのか?
「うるさい、もう黙れ」
喚く口を閉じる術は無いから、結界魔法で閉じ込めて、二人のタマも潰してやった。
「うわっ、大惨事」
「殺したの?」
別行動していたシナトラとチャックが、扉から覗き込んで聞いてきたのに答えたのは先輩だ。
「ギリ生きてる」
「生かしておく価値は無さそうですけどね」
最後に顔を見せたアインは、他の部屋を見て色々察したんだろう。
俺も同じ様に感じるけど、その一線をこのゴミの所為で越えることは無いだろう。
一瞬で死ぬより、手足砕かれ、タマ潰されてれて生きていく方が辛いだろうしな。
「それじゃあ手早く引き上げましょう。
子供をこんな場所にいつまでも置いておかずに、怪我などないか診ないといけませんからね」
「おお、そうだよな。
ジョニー、子供を縛っている縄を切る物持ってないか?
ほら、そっちの子も余りこんな所をジロジロ見ずに行くぞ」
俺に子供の開放を任せ、先輩はチャックの背中を押し、先に部屋を出る。
シナトラも
「ここ臭いから僕も先に外に行くね」
と出て行った。
俺はマジックバッグからナイフを取り出し、ベッドに括り付けられていた子供の手足を解放し、抱き抱え部屋を出ようとしたんだけど、アインがまだ部屋の中に立っているから声をかけた。
「アイン、行かないのか?」
「少しばかり話を聞こうかと思いまして。
他に同じ趣味の仲間がいたらいけませんからね」
成る程、同好の士が他にいたら、そいつらも締め上げないとなんねえからな。
「ここまで痛めつけているのですから、正直に話すでしょう。
そう時間をかけませんから、先に外へ行って下さい」
アインの言葉に頷き、階段を上がり、玄関から外に出た。
途中の部屋から呻き声が聞こえたのは、見張りの奴らだろう。
しかしこの騒ぎでも、こうして運んでいても目を覚まさないとは、この子大丈夫かな…。
「さて、あなた方は私たちの顔をしっかりと見てしまいましたね。
ジョニーはああ言っていましたけど、生きている価値有りませんよね?」
アインが冷たい微笑を浮かべ、結界魔法を解いた。
気を失えなかった髭を蓄えた男が、震える声で告げる。
「吾輩らと同じ尊き嗜好の………ギャァ!」
アインの放った風魔法が男の耳を切り落とす。
「ああすみません、耳障りな言葉が聞こえたので耳を塞ごうと思いましたけど、間違えてあなたの耳を塞いでしまいましたね」
切り落とされた耳に手を当てたいけれど、縛られているのでジタバタとのたうつことしかできない。
「それで続きはどうしたのですか?」
「ぁあ……あぅ………同じろくでなしな趣味なのは……………」
男は床で蠢きながら13人の名前と、どの国のどの街に住んでいるのかを白状する。
「そうですか、思った以上に居るのですね……価値のない輩が」
眉間に皺を寄せた後、ニッコリと笑顔を浮かべたアインは、気を失った二人の頭から水を掛け、意識を戻す。
「有益な情報ありがとうございました。
私達は帰りますけど、あなた方に慈悲を与えたいと思います」
アインの言葉を聞き、助かると思った3人の顔色が良くなる。
「先ずはお話を聞かせてくれたあなたから……」
髭を蓄えた男の顔の周りに水の玉が纏わりつく。
「ガハ!ゴボッ!」
「ああ、楽にはしてあげますけど、楽には逝かせてあげませんよ。
今までの行いを反省しながら逝って下さい」
男は床に頭を擦り付けて水の玉を外そうとするけど、どうにもならず、やがて全身を痙攣させ、動かなくなった。
残りの二人は目の前の惨劇に、いろんなモノを垂れ流しながら震えている。
アインは見せつけるために意識を取り戻させたのだ。
「や、止めろ!殺さないでくれ!」
「もう二度とやらないから、殺すのだけは……」
「命乞いですか?
やめてくれと言われてやめたこと、あなた方は有るのですか?
彼は死なせるより生き地獄を味わえばと逝っていましたけど、ホルノーンの手の者は執念深いですからね。
逆恨みでもされたら困りますし、苦しみながら逝って下さいね」
顔色をなくし喚いている二人を溺死させながら、アインは部屋を出る。
「ジョニーに殺さない様に言ったのは、彼の手を汚させたくないからなんですよ。
顔を見られた時点で結末は決まっていたんですから」
扉を閉めながらのアインの言葉は、彼らの耳に届くことは無かった。
長くなりましたけど、話を分けるのは憚られたので、一気に載せました。
表現は抑えたつもりですけど、15禁じゃあアウトですかねぇ。
これで暴力シーンなどが出てくる話は終わります…やっと!