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人に生まれ変わりたくなかったから

※※不愉快な表現が続きます。

苦手な方はこの回を飛ばしても、ストーリーに差し障りは有りません※※

私は美人だったの。


父方の祖母がロシア人で、クォーターの私は、明るい茶髪に琥珀色の瞳、肌は真っ白、小顔で背が高く、手足が長くすらっとしているけど、出るところは出ていたわ。


子供の頃は「天使の様」と言われていたし、大きくなると誰もが振り向く美女になったの。




自慢話かって?羨ましいって?

冗談じゃない!!



何度も連れ去られそうになった事が有るし、イタズラをされた事もある。


同性からは嫌われるし、異性からの視線は怖気が走る!


『チヤホヤされて良い気になって!』

  そんなのなった事ないわ


『私の彼氏に色目を使ったでしょう!』

  あなたの彼氏って誰?どの人?


『ちょっと顔がいいからってお高く止まって!』

  一体どこがそう見えたの?


『先生にエコヒイキされてズルイ!』 

  いつ贔屓されたって言うの?

  

『美人だからって何でも許されて良いわね!』

  何その被害妄想



『なあ、一回て良いんだよ、俺にもやらせろよ』

  は?何言ってんの?


『色々経験してんだろ?で、どんなプレイが好きなの?』

  は?何言ってんの?


『○○には内緒で泊まりに来いよ』

  は?何言ってんの?


『やりまくってんだろ?いいじゃん、俺ともやろうよ』

  は?何言ってんの?



「え…私誰ともお付き合いした事無いんですけど」


『はははは、分かってるって、一人に縛られたく無いんでしょ?

色々味わいたいってやつ?』

  は?何言ってんの?


『このクソビッ○!!

人の男寝取って回って何がしいの?!」

  は?何言ってんの?



「あの…私男性経験無いんですけど」


『ハイハイ、そんなジョーク誰にも通じないって』

『マジな顔して嘘ばっかり』

『病気移さないでよ』


    は?何言ってんの?



『契約くらいその顔と身体で取ってこい!』

「それはセクハラでパワハラでは無いのですか?」

『は?その顔で何真面目ぶってんだ、散々食い散らかして来てんだろ?

そのテクニックを役立てて来い』

  は?何言ってんの?


『ぼ…ぼくには分かるよ。

色んな男に汚されて来ても真っ直ぐに顔を上げている君は、とても強いけど、心の中では泣いているんでしょ?傷ついているんでしょ?

そんな君の事を僕が癒してあげる』

  は?何言ってんの?


『沢山の男を弄んできたんでしょ?

どうすればあなたみたいに人生楽しくやっていけるの?

私にも教えて欲しいわ』

  は?何のこと?


『貴女ね!私の旦那に色目を使ったのは!

ええいいわ!あの男はノシをつけてあげるから、慰謝料よこしなさいよ!』

  は?何のこと?




『どうしてお前は問題ばかり起こすんだ、男遊びもいい加減にしなさい』

『私達の手に負えないわ、貴女も社会人になったんだから、独り立ちしてちょうだい』

『そうだな、男の事が片付くまで帰って来なくていいからな』

『暫く頭を冷やしなさいね』

  は?何のこと?




『可哀想に、きっとこの世界は君の本当の世界じゃ無いんだよ。

ぼくが助けてあげる。

本当の世界に生まれ変わって今度こそぼくと幸せになろう。

ちょっとの間お別れだね、愛してるよ○○○」




何故なのかしら、私の周りの人が見ている私は私じゃ無いの。

友達もいなく、彼氏が出来たこともない。

小さい頃イタズラで触られたことが有るけど、異性との体の関係は一度も無いし、キスをしたこともない。

就職してもパワハラとセクハラまみれだし、両親の目に映る私も私じゃ無かった。


最後はストーカーに滅多刺しって、私の人生って何だったのかしら。

本当の私は【皆が見ている私】で、【私】は実在しないのかしら。

【私】は生きた人間だったのかしら。




「んー、ちょっと酷いねこれ、魂も傷だらけだ」


膝を抱えて小さくなっていると、男の人の声が聞こえたわ。

男の人……嫌だ……怖い……いや、人は皆怖い………。


「そんなに【人】はイヤ?」


誰も私の話を聞いてくれない、誰も【私】を見ようとしてくれない。

想像の中の私の事を私に重ねて色々言う、【私の外側】だけを見る。

人は嫌い…人は怖い…人は憎い…もう人には産まれたく無い……人はイヤ……………。


「じゃあ人じゃなくなろうか?」


………何?


顔を上げると着崩した黒スーツの男性がいたの。

私を人じゃなくしてくれるの?

悪魔なの?


「残念、悪魔みたいに優しく無いかもよ。

人が嫌なら強い動物にでもなる?」


強い動物?

でも動物なら人に捕獲されるわ。


「そうそう人が敵わないのはどう?

恐竜とか」


恐竜?そんなのもう居ないわ。

……でも、恐竜なら人なんか怖くないかな。


「んー、でも恐竜が跋扈ばっこしている星って少ないんだよね。

……ドラゴンでどう?」


…ドラゴン……?ゲームによく出る?

でも勇者に倒されてしまうわ。


「ダ〜イジョウブ!

勇者も英雄も居ない星、でも人や亜人は暮らしているから寂しくないだろうし、ヤンチャなヤツらは少しはいても、一人じゃないから問題ない。

そんな場所に心当たりがあるから。

強くてカッコよくて、仲間も居るし他の種族とも交流出来るから、きっと楽しいよ」


貴方の話を聞いていると楽しそうね。

…そうね、人はもうイヤだけど、仲間や他の人?他の種族?と仲良く出来るのなら、楽しい生き方が出来るかしら?


「楽しく生きられるかそうでないかは本人次第だけど、今までの周りの環境より悪い環境なんて無いから、騙されたと思って生まれ変わってみる?」


……そうね、これまで以上に悪い事は無いわよね。

私だって楽しい人生を送ってみたいわ。


「ドラゴンだから人生じゃなくて【竜生】だろうけど、楽しく生きて幸せを探してみてよ」


…そうしたいわ。

ありがとう、貴方は神様?


「神ほど無慈悲じゃ無いよ」


じゃあ優しい悪魔さん?

ありがとう、もう一度希望を持ってみるわ。


「うん、魂が輝き出したね。

それじゃあオマケで生き易くなる様に、特典を付けてあげる。

だから、良い竜生を」


ふふふ、ありがとう、優しい悪魔さん。





少し長くなりましたけど、2回も続けたく無かったので、まとめてしまいました。

「うっわ、胸糞悪い!」

って書きながら思いましたけど、美人じゃなくても、周りから否定され続ける人って居ますよね。

見た目でイメージ作られて、無い事無い事噂される人って居ますよね。

生まれ変われるのなら人以外になりたいって考えたこと、有る人居ますよね?

私は水になりたかったです。

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