表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
147/231

四人会議 その4

「ジョニー、農家の方や店をやる方は、ゆくゆくは土地や店が自分のものになるのを目的に頑張れる様にするのですよね?

なら、住民や税金を扱う方う内政の方は、何を目的に頑張ればいいと言うのですか?」


アインの言葉に考えてみます。

内政…会社の事務や庶務と考えて…。

自分がはなから考えていませんでしたけど、社会で働く人は【出世】が目的ですかね。

出世すると収入も増えますし、課長とか部長とか呼ばれるのは嬉しいと言うか、若くして出世すれば名誉というか、周りからの目も変わってきますから……あ、そうか、位持ちとは出世なのですね。


高卒の自分が出世するなんて、全然考えていなかったので、出世欲なんて無かったですけど、周りは凄かったですからね……色々と。


そう考えると、位持ちが嫌だと言うのは『出世させるつもりは無いよ』と言っている様なものですか?


私だってヤンチャ時代、親衛隊になりたい、あわよくば側近や、四天王になりたい、などと思ってバイクのテクを磨いたり、鉄パイプを磨いたりしていたのに。

それが仕事に関する事となった途端に、興味が無くなり深く考えなくなっていましたね。

物事は立場を変えて見ないといけません。

一方からだけ見ると、先入観などで判断を間違えることになりますから。


「そうですね、わかりました。

内政に携わる方だけでなく、農業や商業、狩りなどでも頑張って成果をあげた方には位を授ける事にします。

……って、私が勝手に位を授けて良いんですか?」

「そこは国王の俺の片割れか、ヨルゼルがやるよ」

「そうですね、取り敢えずは」

「え?」

「では町の名前はどうしますか?」


今、明らかに話を逸らされたけど、アインさん、取り敢えずとはどういう事ですか?



「町の名前か、この地方では国の名前は場所からだが、他所では国でも町でも治める奴が好きなに前をつけておるな」

ブルースが話を続けたので、アインへの追及はできませんでした。


町の名前ですか……町の名前………銀座 原宿 六本木〜、バギートップに……

いやいや。

六本木と高円寺は心中ですし、東○山は白鳥が……。

私の世代ならやはり、原宿のホコ天や、湘南を爆走する集団とか、憧れましたね。

会社の若い子は、アキバに行きたいとか、女の子はブクロに行きたいとか言ってましたけど、秋葉原は分かりますけど、ブクロは何処で何があるんでしょうね。


話も逸れたし、漢字から離れましょうか。


えー……北○モスクワパリニューヨーク、24時間戦えません。

というかそのまま過ぎですね。

うーん……愛の国ガ○ダーラ、愛のソビエ○、常春の国マリネ○はどこでしたっけ?


既存の名前を使うのはやはりダメですかね。


うんうんと唸っている私に、コニーが

「別に難しく考えないで、好きな物の名前で良いんじゃないの?」


好きな物……妻…妻の名前が百合江ですから、仲間内ではリリーと呼んでいました。

妻も自分の名前の花、百合が好きでしたから、百合にしましょうか。

でも百合では短いですね。

百合の種類……鬼百合、山百合、鉄砲百合……うん、庭にも沢山植えてあった、あの白くて凛としたあれが良いですね。


「【リーガルリリー】なんてどうでしょう」

「リーガルリリー?聞いた事が無いですけど、何か意味があるのですか?」

どうやらこの世界には咲いていない様ですね。

妻が一番好きだった花ですから、少し残念です。


「白くて綺麗な花の名前です」

「わーお、ロマンチック」

コニーがニヤッと笑いながら茶化します。

「花の名前とは意外だな。

お前のことだから、元の世界の人の名前をつけるかと思ったぞ」

ブルースが鋭いです。

大元は【妻の名前から】ですからね。



町の名前も決まって、町の方針も大まかに決まりました。

住民の募集の仕方は、各町のギルドで、農家や商家の三男や四男など、跡を継げない方や、家族が多くて家を出たい方、独り立ちしたい方などに、新しく出来る町で暮らしませんかと声をかけてもらう事に。


ポスターやチラシは、文字が読めない方が大半なこの世界では役に立たないので、口頭で説明してもらうこととなります。

一人一人は無理なので、興味のある方を一定数集めて、共同説明会を開いてもらうように手配します……アイン達が。


そこで集まった方を、私達が直接面接して、移住してもらう方を決める事にします。

誰でも彼でも無差別に受け入れていたら、どんな危ない人が来るかわかりませんからね。


ゼロから始めるのに、いきなり問題を抱えた人ばかり集まると、町づくりではなく、町崩しになりかねませんから。


兵士は、冒険者ギルドでの募集と、アインの城…は無理ですから、コニーの城の兵士さんから少し回してもらいます。

ギルドの職員や、役場…運営署の方さは、アインとコニーの伝にお任せする事として、話し合いは一旦終了です。


細かい事はまだまだですけど、随分具体的になってきましたね。

細かい事…どんな作物を作るか、養鶏の鶏をいつ捕まえて来るか(野生に居る鶏って、随分肉が締まっていそうですね)、町の結界の魔道具を仕掛ける位置(町が広がる事を考えて、壁は作らず結界で囲む事に)、後は町で行う祭りの詳細も考えないといけませんね。


やる事は沢山あって忙しいですけど、楽しい忙しさですから苦になりませんし、ワクワクしてきます。




ついつい色んな歌を書いてしまいましたけど、どこまで伏せ字にすれば良いのか…。

七曲全部分かって、他のも全部わかる方が居たら凄いですね。

ジョニーが『既存の名前を〜』とか言ってますけど、『今更やん!』『おま言う?』と、書きながら頭の中で突っ込んでしまいました。


奇数日アップですので、次回はまた明日となります。

よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ