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四人会議 その1

町の住民は、種族や年齢は問いませんが、誰でも彼でもウエルカム!と言うわけにはいきません。


なので先ずは町の方針?のような物を決めることにしました。



住人は種族問わず、いろんな方に住んでいただきたいのは絶対です。

活気のある町が良いですから、商売人は大歓迎ですね。

私が転送魔法で集めた物を展示販売とかも面白そうです。

カカルの民の品々と、ダイズスキーの食物、リアンスからお出汁の素や、東からの輸入品を回してもらうのも良いですね。


町の防衛に兵士さんも必要なのでしょうか。

この場合私兵なのか、傭兵なのか、冒険者に頼むのか、どれが正解なのでしょう。


町の外には畑や果実園を作りたいですから、農家の方々もしくは、農業に興味のある方も沢山来て欲しいです。

あ、牧場は無理だとしても、養鶏くらいはやりたいです。

新鮮な卵や鶏肉は欲しいですよね。


小高い山や森も点在していますので、狩場も有ると思いますし、人が住めば魔獣も湧いて来ます。

狩猟をする方も必要ですよね。


火を使う用に(料理や風呂焚き、暖炉など)薪が要りますから、林業も必要でしょうか。


家の四方の建物は、ギルドを誘致する予定です。

あ、自分が必要ないから忘れがちですけど、病院も必要ですよね。


銀行代わりはギルドですし、学校はこの世界には無いそうですし、後は郵便局?これも実は無いそうなのです。

識字率が低く、行政に関わる方々以外で読み書きできる方は、殆どいないそうです。

一般の方々は、【自分に必要な文字だけ読めるけど書けない】【数字は読めて簡単な足し引きができる】程度なのだそうです。


「冒険者が依頼書を見てますよね」

と尋ねたところ、最低限の【討伐】【採取】【護衛】などの【文字の形】を覚えていて、後は依頼料の金額を見て、自分にできるかどうかを判断し、窓口で詳しく聞くのだそうです。


そりゃあ手紙のやり取りなど無理でしょう。

郵便局はいりませんね。



「………商業に力を入れて、農業も林業もやって、養鶏もやるし狩りやる、ギルドは四つとも誘致して、病院も作る、ですか」

つらつらと希望を述べる私の話が一区切りついたところで、アインが確認して来ます。


「なんだ、ジョニーは国を作るつもりかなのか?」

「ジョニー王国でも作るの?」

ブルースとコニーの言葉に首を振ります。


「そんなわけないですよ。

国なんて無茶です。

私は家族が暮らしやすい町をつくりたいだけですよ」

国づくりなんて大それた事、面ど……大変そうな事はやりたくありません。

第二の人生は、自由に楽しく、妻と家族と穏やかに暮らすのが目的なのですから。


「それならもっと絞った方が良いですよ。

農作物を作りたいのなら、そちらに力を入れて、商業は町に必要なお店だけで良いと思いますよ」

「そうだね、チーズやバターとか、干物などを売るくらいならまだしも、手広くやるのはやめといた方が良いんじゃないのかな。

アレもこれもだと、町の方針がブレるし、まずは農業に力を入れて、食べ物確保が良いんじゃない?」


アインとコニーの言う事も納得です。

ついついアレもこれもとなってしまいましたけど、町に特色がある方が、住人も集まりやすいでしょう。


「そうだな、まずは農作物に力を入れて、おいおいいろんな店を増やすなり、農業以外に力を入れていけば良いだろう。

一度に全てをやらずとも、時間はたっぷりあるのだろ?」


3人のアドバイスで、先ずは農耕地を準備して、農家の方々を募集する事にしました。

町中の店も、各種食材店、生活雑貨、食堂を数軒、酒場を数軒、宿屋を取り敢えず一軒とし、後は必要に応じて増やして行く感じに。


病院は一先ず私とブルースが回復魔法を使えるので、後回し。

防衛兼狩りも、暫くの間はブルース達にお任せで。


ギルド誘致に関しては、アインとコニーにお任せする事に。

建物は四つ建てていますけど、町の規模を考えると、取り敢えずは冒険者ギルドと商業ギルドの二つだけで良いそうです。


後は私にはわからなかったのですけど、鍛冶屋も一軒は必要とのことです。

武器より家庭雑貨の鍛冶屋を、と言われたのですが、違いが分からず教えてもらいました。


武器の鍛冶屋は、その名の通り剣や槍、斧など武器を鍛える専門の方々で、家庭雑貨の鍛冶屋は、ナイフ(包丁)、鍋、農耕具など、生活品の金物を作ったり修繕したりする方のようです。

武器の鍛冶屋は町の規模が大きくなってからで充分だとのことで、その辺りは詳しい方の言う通りにします。


「最初から全て整えるのもアリなのかもしれませんけど、国をつくるわけでも無いですからね、必要になった時に必要な物を作れば良いと思いますよ」


そうですよね、アレもこれもと欲張って、管理できなければ治安の悪化にも繋がりますし、実際に生活してみて、不足があればその時にどうするか考える事にしましょう。




   その頃のチャックとシナトラ

シナトラ「ねえねえ、チャック兄ちゃん、父ちゃん達まだ終わらないのかなぁ」

チャック「色々決めなきゃいけないって言ってたから、まだなんじゃないの」

シナトラ「ねえねえ、チャック兄ちゃん、他のみんなはどこ行ったの?」

チャック「デイビッドは白雪の昼寝を見張ってるし、ヨーコーは料理研究するとか言ってたし、ルシーはそれに必要な肉獲りに行ったよ」

シナトラ「ちぇー、僕も誘ってくれれば良かったのに」

チャック「暇なら夕食用に何か獲りに行けば?」

シナトラ「え〜、一人で行くのもつまんない」

チャック「……………一緒に行ってやるよ」

シナトラ「え?珍しい!行こ行こ!」

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