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交換品は分からない物が多いです

「お兄さんとその子は家族なの?」

シナトラに聞かれましたので、私は頷きましたけれど、チャックに否定されてしまいました。

「か……家族なんかじゃ無いし!

まだ家族だなんて認めてないし!

こいつはそう思ってても、そんな簡単に群れになんないからね!」

私は家族のつもりなのですが、残念です。


「僕は?僕は家族?」

シナトラが乗り出して聞いてきます。

「そうだね、僕はそのつもりだよ。

見た目はシナトラの方が年上だけど、僕の子供になってくれると嬉しいな」

「うわー!なるなる!

じゃあお兄さんは父ちゃんだね」


父ちゃんですか、とっても嬉しい響きですねえ。

でも、見た目的にはシナトラより若い私が『父ちゃん』と呼ばれるのは、不都合が生じる事も出てくるかもしれませんね。

残念ですけれど、父ちゃんは諦めた方がいいでしょうか。


「父ちゃんもいいけど、シナトラの見た目だと、ジョニーと呼んでもらう方がいいかな」

「じょ兄さん?」

「……発音がちょっと違うかな。

ジョニーだよ」

「ジョニーさん?」

「そうだね、そう呼んでくれ」

「うん、わかった、ジョニーさん」


チャックのちょっと天邪鬼なところも可愛いですけれど、シナトラの素直さも可愛いですねえ。

昨日から心がほっこりしっぱなしですよ。


「チャック?」

シナトラがチャックを指差し、呼び名を確認しています。

「はあ?なんで呼び捨て?」

「見た目が小さいから?

僕の方が背も高いし、大人に見えるよ?」

そうですね、実年齢……生きてきた年数はチャックの方が上なのですが、どう見てもシナトラの方が年上です。

なんとかなだめすかして、お互い「チャック」「シナトラ」と呼び合うように説得しました。


さて、ちょっと気になった先程の木の実を調べてみましょうか。

ええと……


【酒の実

この大陸の森には大抵生えている樹だよ。

暑くなる季節の前に実がなって、その実が熟したら自然に落ちるんだ。

木の真ん中の窪みに落ちて、そのままそこで発酵すると、夏の終わりには果実のお酒になるんだよ。

自然界のお酒で、動物達が飲むだけじゃなくて、人族も夏の終わりになると、このお酒を手に入れようと、冒険者が森に入るんだ。

 但しこの実は、自然に落ちるまでそのままにしておかないとダメなんだよ。

お酒の元なんだけど、落ちる前はとーーーっても酸っぱくて、酸っぱ過ぎて苦く感じるくらいなんだ。

だから落ちる前の実は食べちゃダメだよ 】


そうですか、自然に発酵するまで飲めないのですか。

お酒の実と言うくらいだから、絞るか何かすればお酒が飲めると思ったのですけれど、残念ですね。

夏の終わりまで待ちましょう。


おや、またポイントが貯まっていますね。

最初だから貯まるのが早いのか、チャックとシナトラが可愛い過ぎて、幸せを感じたお陰なのか。


今度はチャックのアドバイスに従って、料理の能力と交換しましょう。

ええと……


【スキル 調理 0.5ポイント】


おや、半分なのですか?

なら同じく0.5ポイントの物と併せて交換しましょう。


【魔法 バフ 0.5ポイント

 魔法 デバフ 0.5ポイント

 スキル 調合 0.5ポイント

 スキル 隠蔽 0.5ポイント

 スキル 隠匿 0.5ポイント

 魔法 霧魔法 0.5ポイント 】


ざっと見た感じで0.5ポイントなのはこの辺りですかね。

バフとデバフ…わからないので後回しです。

隠匿は何となく予想つきますけれど、このもう一つは恥ずかしながら読めません。

あまり用途が無い気がしますので、これも後回しです。

霧魔法…ですか。

霧をおこしてどうするのでしょう?

これも後回しですね。

この調合がいいでしょう。

薬草を鑑定した時に、調合して傷薬や毒消しになるとか書いてありましたから。


2ポイント目で、料理のスキルと調合のスキルを手に入れました。


ふふふ、これで美味しいものが食べられますね。

さらば生焼け、さらば黒焦げ、ですよ。

今日は材料が無いので、明日からの食事が楽しみです。


明日も頑張って歩く為に、今日は早めに就寝です。

毛布が一枚しかないので、三人でくっついて寝る事になりました。


くっついて寝ると暖かいですね。

見た目はちょっと問題があるかもしれませんが、誰も見ていませんし、60近いおじさんと、生まれて1年の赤子と5年の幼児ですから、問題はないです……よね?



翌朝、先に進むのも勿論なのですけれど……風呂に入りたいです。

川で水浴びをしていましたけど、川から離れると水浴びもできません。

手拭いを濡らして体を拭くだけはできますけれど、頭を洗いたいです。


因みに今私の髪の毛は、パサパサゴワゴワで、指も通りません。

シャンプーとリンスが欲しいです……。

二人は風呂に……、いえ、元が動物ですから、体が汚れても気にならないのでしょうね。

一応、風呂に入りたく無いかと聞いてみましたら、


「え?体の汚れ?

クリーンの魔法で清潔を保ってるよ?」

シナトラが言うには、クリーンと言う魔法が有って、体の汚れだけではなく、対象物は何でもキレイにできるそうなのです。


「もしかして、川に入ってジタバタしてたのって、クリーンが使えなかったからなの?

頭から水をかぶってたから、何してんのかと思ったよ」

チャックが呆れ口調で言いますが、魔法などこの世界で初めて対峙したのだから、わからない事が多くても仕方ないと思いませんか?

確かそんな魔法は私には無かったですよね?

今一度堪忍してみましょうか、オープン。


「この世界の虎やオカメインコは、そんな魔法が使えるのですね」

画面を確認しながら言うと、二人は「虎?」「オカメインコ?」と首を傾げます。


「僕は森オオネコだよ?」

「オカメインコとかなにそれ、初めて聞くんだけど。

オレはマネ鳥だよ」

「ええ?虎じゃないの?」


マネ鳥…と言うのはなんとなく理解できます。

オカメインコはおしゃべりが出来ますからね。

でも、大猫って……どう見ても虎でしたよね?


ちょっとタブレットで調べてみましょう。


【動物

この世界では『動物学』なんて発達していないから、適当に大まかな種類で分けて、見た目や住む場所で名前を付けてる事が多いよ。

例えば、長ネズミはオコジョだし、丸ネズミはハムスター、ムササビはデカ目ネズミと呼んでるよ。

デカ目ザルはリス猿、ウスノロザルはナマケモノ、オヤジザルはゴリラ。

本当に適当なんだ。

あまり細かく考えちゃあダメだよ。

ざっくばらんにいこう 】


………………まあ、そう言うモノだと思うしかないですね。


因みにクリーンの魔法はやはり無かったので、チャックにかけてもらいました。

体はスッキリですし、髪の毛のパサつきもなくなりましたし、なんなら着ていた服までピカピカです。


……なぜでしょう、そこはかとない敗北感があります……。


アプリゲームをやっていない頃は、バフ、デバフなんて何のことか知らなかったです。

ゲーム用語?はやらない人には意味不明ですよね。

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