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茫然自失?

「買うだけなら転送魔法で送って貰えば良いのではないのですか?」

「!!!!!」


そうだった!

別に海の近くに住まなくても、ネット通販の様に【転送魔法で産地から直接お届け】をすればいいんじゃないですか!

しかも通販よりもっと新鮮。

なんなら船の上からそのままお渡しも可能じゃないですか。


忘れていた便利魔法に打ちひしがれている私の耳元で、周りに聞こえない様に、アインが囁きます。


「それにそろそろ転移魔法も使える様になるのではないですか?」


そうです!転送魔法を極めていくと、転移魔法が使える様になって、【自宅からドアを開ければそこは望みの場所】なんて事もできる様になるではないですか!


「候補地は二つありますけど、私は東北の方を選ぶと思っていましたよ」


候補地その1は、私が海が近いからこの辺と、軽く選んだ場所です。

候補地その2は、アイン達が勧めた場所なんです。


東の山脈から流れる川による肥沃な大地は、農作物を育てるに向いていますし、山脈も大森林も近いので、獲物には事欠かないそうです。

山や森はロスフォータの彼方此方に有りますけど、山脈や大森林の動物は、他所と違う進化をしていて美味しいとブルースが言っていました。


それと候補地から南西へ進むと、廃坑があるそうです。

以前は鉄が採れていたそうなのですけど、数年前に廃坑になったとか。


今はその場所で、陽の光に弱い作物を育てているそうです。

鉄が出て来ていた地層で、農産物が育つのか疑問ですけど、きっとこの世界独自の作物なのでしょうね。


どんな物を育てているのか、少し気になりますから、町づくりが終わったら、足を伸ばしてみるのも楽しいかもしれません。


後、鉱山などでは無いのですけど、予定地の辺りは、地面を掘ると宝石が出てくる事があるのだとか……。

勿論貨幣に使われている様なきちんとした物ではなく、いわゆるクズ石という物らしいのですけど、宝石は宝石なんですって。


地面を掘っていて、

「ん?なんか大きな石が有るなぁ」

と掘り出してみると、小さなルビーがチラリと見えているとか。

見逃すレベルの小さい物で、研磨技術があまり発展していないこの世界では、【キラリとした物がちょっとだけ入っている石】にしかならないとか。

勿体無いですよねぇ。


それと、この地では冬は寒くなり、雪が降ることもあるそうです。

夜に降ってうっすら積もり、昼には溶けてしまう程しか積もらないそうですけど、冷えるのは冷えるそうです。

季節感を味わえると思えば苦にはならないですけど、私は寒いより暑い方が好きなんですよね。


自分の中の考えとして『老後は南で』と言うのが有ったのですけど、妻は暑がりですから、こちらの方が良いかもしれませんね。

うっすら積もる雪が降るくらいの寒さなら、我慢しましょうか。


農業に向いてて狩り場も豊富、コニーの城や北の国にも程近い。

南ですと塩害が少々気がかりだったのですけど、東北ならその心配もない。

海産物は転送で新鮮なものが手に入る………。


迷う必要なくなりましたね。


「それでは、町は東北の…この場所に作りたいと思います」

地図を指して言うと、アインとコニーは頷きました。

マークスさんとファナさんも頷き、そして……


「よーし、決まったな。

じゃあどっちにする?」



「あら、マークス、何言ってるの?

今は昼なんだから、ここは私でしょう」



「いや、相手があの二人のどちらかだぞ?

ここは俺だろ」



「そりゃあ…どちらが相手でもキツイけど、私なら飛んで避けれるし、私の方が強力な魔法を使えるわ」



「あ、その事なのですけど、私達は手を出しませんよ。

お相手はジョニーです」


???


「えー?

そいつは無謀なんじゃないのか?」

「確かに、町をつくる首謀者は彼かもしれないけど……無茶じゃない?」

「そうだぞ、俺は悪人でもない奴を殺したく無いからな」


!!???!!!?


「ジョニー、大丈夫ですか?」

「混乱しておるな。

つまり何か意見を通したいなら、力を見せろと言うのが北の決まりなのだ」


………………


「そうよ、何かを成したいのなら、力を示して貰わないとね」

「勝つ必要はありませんよ。

意見を通すのに、ある程度の力を持っていないと、成し遂げられませんからね。

なので、王のどちらかと勝負をしてもらう事となっているのですよ」


あー……話の流れからそんなもんじゃないかって思ったよ!




北の国、獣人の国、又の名を脳筋の国。

言葉で語った後は、拳で語るのが北の流儀。

勝ち負けが問題なのではありません。

力を示す事が大切なのです。

そんな北の国です。


そして、【老後は温かい南で】と言うのは、【逃げるなら北へ】と言う言葉とセットで、子供の頃周りの大人が言ってたのをよく耳にしてたのですけど、私の周りだけでしょうか?

それとも一定の年齢以上の方々共通意識なのでしょうか?

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