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王様と王様と王様と次期王様と私

夜明け前、城下町の外れから、ブルースに乗って人族の国、平原の王の国へ向かいます。


揺れも少なく、魔法のお陰で空気抵抗も感じ無いのですけど、陽が昇りきってしまうと、紫外線が……。

日傘が欲しいですね。


予定通りに昼には平原の王の国に到着しました。

王都の城壁の外でブルースから降り、アインとコニーと私の3人で王都を目指します。


コニーは大人バージョンです。

ブルースは元の姿のままで、その場で休んで貰います。

短期間に何度も元の姿と人型への変化へんげを繰り返すのは、できる限り控えた方が良いですからね。


しかし、以前見た時にも思ったのですけど、これは城壁と呼んでいいのでしょうか。

【王都を守る城壁】と言えば、高く頑丈な壁をイメージしますけど、ここの城壁?は、木の柵なんです。


ちょっとした動物なら侵入できないけど、大型の獣や魔獣なら、簡単に侵入できるのでは?

言っては何ですけど、チャチなものです。


アインが言うには、各地から集まってきた人族で、国の人口が増えた時、どんどんスペースを広げて行ったらこうなった、と。


広いスペースで、建物を縦に伸ばさず、横に広げて行った結果だそうです。

高層のビルやマンションなど建てる技量は無いですからね、横に広がるしか無いでしょう。


ついつい、「こんな役に立たなさそうなら要らないんじゃない?」と思ってしまうのは私だけでしょうか?

よそ様のことに口を出すべきでは無いですね。


などとどうでも良い事を考えながら歩いているうちに、城へ到着しました。


城の門番さんに案内され、謁見の間へ通されました。

門番さんは扉の外から中へ向かって声を掛けます。


「失礼します、西の森の王と、東の山の王、他一名をお連れしました」


声を受けて、内側から扉が開きます。

扉を開けた騎士さんの後に続き、中へ入ります。


おお、テレビなどで見た【謁見の間】のイメージ通りの部屋ですね。

壁に大きな布がカーテンの様にかかっていて、床には玉座に向かいカーペットが敷かれています。

いかにもな玉座に座るのは、四十代くらいの小柄な男性。

玉座を挟み、向かって左側は空席で、右側には十代後半の男性が座っています。

多分王子様ですかね。


部屋の中央まで進んだところで騎士さんが止まったので、私たちも止まります。

騎士さんは元の場所であろう扉の前に戻りました。

私達はどうすれば良いのでしょう?

跪くのですかねえ。

アインとコニーのやる事を真似れば良いんですよね?


などと考えていると、王様方が玉座から立ち上がり、こちらへ歩いていらして、私達(と言うかアインとコニー)に頭を下げました。

王様ですよね?

国で一番偉いんですよね?

あ、アインとコニーも王様ですね。

王様と王様と王様なら、どの王様が一番王様なんでしょう。

王様が王様に頭を下げるのを見てゲシュタルト崩壊してしまいました。


「お久しぶりです、西の王、東の王。

まずはこちらへ」


頭を下げる王様に対して、頷くだけのアインとコニー。

王様で魔王の二人の方が上なのでしょうか。

それとも見た目は一番上でも、実年齢は3人のうち一番若いから、敬うのでしょうか。


「こちらへどうぞ」


王様直々に案内されたのは、謁見の間の玉座左手の扉でした。

扉の向こうは【成る程いかにもな王宮の応接室】と言う感じの豪華な部屋です。


でもなぜこんな場所に応接室?

お偉いさん達の密談の場なのでしょうか?


上座にアイン、入り口から見て右手に王様方が、左手にコニーが座りました。

私はどうするのでしょう?

下座に座れば良いのか、入り口に立っていれば良いのか迷っていたら、コニーがこっそりと自分の隣を指さしたので、そちらに座ります。


正面に王子が腰掛けました。

目を合わせるのは不敬になるかもしれないので、微妙に視線を外しておきましょう。


「そちらの方が今回町をつくられる方ですね。

この国の王をやっていますトマフ・マンティールです。

そちらが第一王子のルストーグです」

王子がペコリと頭を下げます。


「初めまして、ジョニーと申します。

私は一般人ですので、畏まらないです下さい」

王様に丁寧に話されるのは、畏れ多いですよ。

それに、向かいに座る王子の視線が……。


「ジョニー、あなたは私達の家族なのですから、それなりの扱いをされる事を受け入れなさい」

アインが言いますけど、小市民には少しばかりハードルが高いですよ。

それでも今できる返事は、

「わかりました」

としか言えませんよね。


この件に関しては、また後で話しましょう。


「それと私達は分裂しましたので、今はアインと名乗っています。

彼の家族のうちの一人です」

「余もこいつと縁を結んだ。

この身はコニーと名乗っておる」

アインとコニーが名を告げると王様は、

「ではこれからは、アイン様、コニー様とお呼びすれば宜しいでしょうか?」

と尋ねて来ました。


「そうですね、西の城はヨルゼルが統治していますし、これから私は新しい町で過ごしますから。

名前を呼んでいただいて結構です」

「承知いたしました」


何と申しましょうか…アインが高飛車?高慢?……上から目線で話している気がするのは気のせいでしょうか?

なんだか気になります。




   補足?蛇足?

5人の中で一番年上なのはアインです。

次にコニー(生まれて150年)、ジョニー(56歳)王様(38歳)王子(17歳)です。

見た目では、王様、コニー(擬態中)アイン、王子、ジョニーとなっています。

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