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乳児(?)+幼児(?)=可愛さ無限大

「会うのは久しぶりだね。

アイン、色々情報ありがとう……………っておい!お前!何してんだよ!!」


城の中、コニーの執務室へ通された私達。

私はコニーに近づき、そっと白雪を手渡します。


………あぁ!!


「おい、このちんまいのこの前言ってた灰色アザラシだろ?

ちょっと重いんだけ………おい!!」


一歳児を抱っこする二歳児……たまりません!

全身黒のコニーと白っぽい白雪の色の対比も完璧です!

私は椅子に座って白雪を抱っこするコニーを、椅子ごと抱きしめました。


「おい!こら!何なんだよ一体!

無言で真顔って怖いんだよ!

スリスリすな!!」


はー、たまらんよね、これ。

ほっぺフニフニ、両手は白雪で塞がっているので、足をパタパタさせるけど、当たってもちっとも痛く有りません。

遊んでもらっていると思ったのか、白雪は声を出して笑っています。


「怖いから!マジに怖いから何か言って!

てか助けろよ、お前ら!」


抱きしめてスリスリしていたのに、アインに指名されたブルースによって引き離されました。


残念!



「あいつ重症化してないか?」

応接室に移動してソファーに腰を下ろしたのですけど、警戒したコニーは私の対面に座りました。

仕方ないので白雪を堪能します。


なでなで…ふにふに………すりすり………はむっ!

ほっぺを齧っても、キャッキャと笑っている白雪、たまりません。


「……まあ、否定はできませんね」

「あの性癖は危なく無いか?」

「他人にならヤバいかもしれないけど、身内なら……どうだろう」

「ジョニーってあれが素なんだ」

アインとブルースとチャックとディビッドが何か言っています。


「だって何だかほっと気が抜けたんですよ。

家族の待っている場所に帰って来て、久しぶりに可愛い子供の顔を見たら、タガが外れてしまう…そんな事は良くある事ですよね?」

そう、ちょっとタガが外れただけですよ。


「顔を見たのは久しぶりかもだけど、毎朝毎晩念話で話してて久しぶりもないだろう」

「……毎朝?」

「…………毎晩?」

コニーの言葉にチャックとシナトラまでも引いています。

え?何で?


「旅の間に色んなことがあったじゃ無いですか。

情報は共有した方がいいでしょう?」

ね、と周りを見ると、

「それは…まあ、そう言う事も有るんじゃないの?」

同意してくれたルシーの株が少し上がります。


「『今日食べた魚が美味しかった』とかでも?」

視線を向けられたルシーが、助けを求めるように隣に座るディビッドを見ました。


「えーと、ほら、美味しい魚の情報?

お土産用…とか?」

そうですよ、美味しかったから、コニーへお土産に持って来ているんですよ。


「『シナトラがアインに内緒でお酒を飲んだ』とか」

「あーー!アイン兄ちゃん聞かないで!」


「『チャックが眠いのを我慢していて、頭がカクンとなっています』とか」

「は?何下んない事報告してんの?」


「『ブルースが階段踏み外したけど、バレてないと思って素知らぬ顔をして歩いて行った』とか」

「見られてたか」


「『アインが疲れ目なのか、目をくしゅくしゅ擦っているのが、何だか可愛かった』とか」

「…………………………ジョニー」


あ、ヤバい、アインがめっちゃ笑顔でこっち見とる!

逃げていいかな。



その後、下らない報告をしない、毎朝毎晩念話を送るのは迷惑だから止める、プライバシーを吹聴しないなど、誓わされました。



念話で伝えてはいましたけど、ルシーとディビッドと白雪の紹介をして、下の町に居るヨーコーの事も説明したところで、晩餐の準備が整ったと言われたので、話は一旦終了し、食事へ。


アインの城と違い、この城では魔族以外も働いているので、食事は三食とっているそうです。

食事は必要ないコニーですけど、嗜好品として…と言う部分と、部下と同じものを口にする事で、色々スムーズに行くことが有るから、と言っていました。


なので今回も、コニーの前にも食べ物は並んでいます。

アインは気にせずお酒だけですけどね。


「まだまだ若輩者だからね、部下と共感を持つ為にも食べてるんだ。

食は生き物にとって大切なんでしょ?

アインみたいに周りが皆魔族なら、わざわざ食事を取ることは無いんだろうけど、うちには色んな種族の臣下が居るからね」


コニーの言葉を受けて、アインがグラスを置きます。

「でも魔族で固めるのも良し悪しですよ。

ジョニーが城に来た時も、皆隠れてしまい、お茶も私が淹れて運びましたから」

そういえばそうでしたね。


「年若い魔族は拘りは少なかろうが、長く生きていればいる程、頑なだからな」

ステーキのお代わりをしながら、ブルースが言います。

てか、もうステーキ一枚完食って早くないですか?


「魔族って人族嫌いなの?

まあ、私も同種以外好きじゃないけど」

こういう時、いつもならシナトラが問いかけていますけど、今日はルシーが聞いて来ました。

シナトラは食事に夢中です。


「王様トカゲの方々も色々有りましたからね。

我々魔族も…まあ、過去に少しばかり因縁が。

でも、過去のことですから、若い方々には偏見を持たないでいてほしいですね」


アインが言葉をぼかしながら話します。

これは詳しく聞くのはやめた方がいいですね。


「まあ、人族だからね」

「うむ、人族はな」

「全ての人族に問題がある訳ではないのですけどね」

ルシー、ブルース、アインの言葉に、思わず「すみません」と謝ってしまいました。


「何を謝っておる」

「いえ…人族を代表して?」

「お前は人族と言っても(ドカッ!)っつ………、ホラ、アレだ、規格外だからな」

アインとブルースの間から何か音が聞こえましたし、ブルースの顔が若干引き攣っていますけど、彼は頑丈だから大丈夫ですよね。




シナトラ「チャック兄ちゃん、何でご飯の時ブルースのおっちゃん蹴られてたの?」

チャック「ルシーさんは家族じゃないから、ジョニーが別の世界から来たとか、色々秘密にするって言ったでしょ。

うっかり口を滑らせそうだったから蹴られたんだよ。

だからシナトラも、うっかりしないように気をつけなね」

シナトラ「僕は全然大丈夫だよ」

チャック「(……いや、ヤバいことは何回も有ったのに、覚えてないのかコイツは)」

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