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新たな出会い

〈【複合魔法】解放したけど、良かったの?

今まで殆ど相談してから魔法とか手に入れてたのに 〉

〈はっ!アイン達に相談していませんでしたね 〉

ティちゃんに言われて気が付きました。


〈まぁぶっちゃけ、ジョニーの事なんだから、ジョニーが勝手に決めてもいいと思うんだけどね 〉

〈でもアインには色々教えてもらったり、フォローして貰ったりで、この世界で私が無事に生きていく先生の様な物ですからね。

先に一言相談するべきでした。

後で謝っておきましょう 〉


小高い山を越えて荒野に立ち入る前に、昼食を取ることに。

ルシーが【お花摘み】に行っている間に、皆に報告しました。


この【お花摘み】も大変でした………。

その場で用を達しようとしましてね……。

「だっておしっこってトイレでするって言ったじゃない。

ここにはトイレ無いわよね?

ならどこでも一緒でしょ」

って……女性メスとしての恥じらいを学んでほしいです。


あ、話が逸れましたね、兎に角居ないうちに報告です。


「………と言うわけで、相談もせずにすみません」

「え?でも念話の時も相談してないよね?」

チャックのツッコミが鋭く突き刺さります。

そう言えばそうでした。


「あれはティちゃんと話すためにも早急に必要ない物でしたから」

しどろもどろと言う私に、アインは微笑みかけます。

「別にジョニーの事なのですから、好きに決めて良いんですよ。

分からないことを相談された時にアドバイスはしますけど、事後報告で十分ですよ」


良かった、蔑ろにされたと思われていない様ですね。

安心している私にアインが

「ジョニーの中では私はどんな存在なのでしょうね」

と、ため息混じりの呟きます。

「そりゃあ『怖い奴』だろう」

私が答える前に、迂闊なブルースの発言が……。  


「…ふふふふふ、ブルース、後で少し話し合いましょうね」

「いや、ほら、個人のスキルや魔法は、別につまびらかさなくても良いのだぞ。

逆にお前の様に大っぴらにする方が稀なのだからな」

「個人情報ですからそうなのでしょうけど、分からないことばかりですから、分からないまま間違えるより、開示して適切なアドバイスを貰う方がいいと思いますので」


ブルースの話題逸らしに乗っておきましょう。

空気が冷たいですからね。


「正直なところ、ジョニーは色々と規格外ですので、現状を把握させていただきたいとは思います。

けれど言いたくない事は言わなくて構いませんし、自分で判断できる事は、自身で決めていいと思いますよ」

普段通りに戻ったアインがそう言います。

規格外は私ではなく、アインとブルースですよね?とは言いませんよ。

空気は読めますから、危険回避です。


昼食の準備を済ませ、ルシーを待ちます。 

目の前には荒野……古い西部劇に出てきそうな場所ですね。

遠くに断崖などが見えますし、空には大型の鳥が…。

おお、あれは白頭鷲ですね。

翼を大きく広げて悠々と空を舞う姿は、とてもカッコいいです。


空を見上げていると、一羽のオレンジ色をした白頭鷲が降りてきました。

体の色から察するに、魔法が使えて意思の疎通もできる個体なのでしょう。


低木に止まり視線をこちらに向けてきます。

まさか捕食対象になったわけではないですよね?

人に興味が有るのか、それともバスが珍しいのかでしょうか。


舞い上がると私達の側にある低木に飛び移り、またこちらを凝視してきます。

これはもしかして?と、念話で話しかけてみました。


《私達に興味が有るのですか?》


「ピュイ」


《もしかして皆の本来の姿がわかるのですか?》


「ピュイ」


《貴方も亜人化したいのですか?》


「ピュイ」


《………ただ鳴いてるだけ?》



「ピューーーイピッピ」


翼を広げ威嚇されました。

念話は通じている様です。


《亜人化したいだけですか?

それとも私の家族として一緒に生きていきますか?》


ルシーの様なパターンも有りますし、ただ単に人になりたいだけなのかもしれません。

個人的には白頭鷲は憧れの鳥ですから、是非とも家族になってもらいたいのですけど。


気がつけば、他の皆の視線が私と白頭鷲に集まっていました。


「その大狩り鳥を家族にするのですか?」

アインに聞かれましたので、相談してみます。


「念話は通じていますけど、相手が念話スキルを持っていない様で、言葉は分かりません。

でも人にはなりたい様なのですが、どうすればいいでしょう」

そうですね、と少し考え込んだ後、アインは白頭鷲に向かって声をかけました。


「念話が通じると言う事は、私の言葉もわかりますね?」

「ピュイ」

「それなら、人になりたいだけならそのままそこに留まって下さい。

もっと深く私達と付き合う…家族として共に在りたいのなら、彼の肩に止まって下さい」


アインが彼と指差したのはブルースです。

いくらブルースが王様トカゲで頑丈だからと言って、大型の猛禽類が止まったら、肩が抉れませんか?

見たくないのですけど……。


白頭鷲は飛び上がり、ブルースの肩に止まりました。


……………大丈夫そうですね、出血していませんから。




チャック「(はーーーー、怖かった。

オレかリンが餌として狙われてるのかと思った)」

シナトラ「(えーーーー、家族になるの?

晩ご飯になると思ったのに)」

ルシー「(あら、食べてはいけないの?

オヤツにしようと思ったのに)」


捕食者と被捕食者の集団です、割合は偏っていますけど。

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