表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

人間の悪いとこ

作者: 矢来風雲

俺の名前は鏡 三沢。いわゆるいじめられっこってやつだ。

今屋上に居る。まぁ、察しの良い人なら分かるだろ?そう、自殺しようとしている。


だが、この屋上にはもう一人。奈那側 功。所謂ヤンキーだ。

でも、同じクラスなのだが俺のいじめに参加したことはない。むしろ止めてくれた事まであった。


「なぁ、俺が飛び降りるのどう思う?」話したことはあまりないが他に話せる人も居ないので聞いてみた。

「いんじゃね?おまえが書いた遺書であいつらは少年院行きだし、いい仕返しになるだろ」思ってもない解答だった。てっきり無視されると思っていたのに

「仕返しかぁ、でも遺書だけじゃあなぁ」遺書だけでは証拠にならない。俺が諦めた事項の一つだ。

「お前が仕返ししたいってんなら俺に任せろ。今までの事柄はすべて録音してある」ん?


「どういうことだ?」「お前に小型の盗聴器がつけてある。それぞれ名前とか結構言ってるから全部確認したら全員出た。これで証拠になるだろ」意外だった。


「何で、そこまで」「俺はお前に助けてもらってるからな」ん?そんなことあったっけ?

「覚えてないか、お前、怪我してた俺声かけて絆創膏くれたろ?」あぁ、あれか。


「なら余計にいいのか?俺が死ぬの。自殺なんてしちゃだめだろ」つい思ってもないことを言ってしまった。


「何いってんだ。誰にも縛られず自分の手で死ねるんだぞ?最高じゃねぇか。人間は、生物はどうせいつかは死ぬ。人生に悔やむ気持ちが無いのなら、死ねばいい。それを他人じゃなくて自分のしたいように死ねるんだ。良いことじゃねぇか」意外だった。俺に聞くなとか言われると思ってたのに。


「俺の思考になるんだが、俺は死にたいなら死ねばいい、生きるのがつらいなら無理に生きる必用がないっと思ってるから。生物が生きる理由は死ぬ理由を探すこと、今死ぬ理由ができたおまえには人間として生物として、死ぬ権利ができた。ならば、それに対して咎める必要も止める必要もない、俺の自論だが」これを聞いて俺は納得してしまった。昔の俺だったら何言ってるんだろうと思っていたと思う。


「そうか、じゃあ、心置きなく死ねるな」「あぁ、見守っといてやるさ。誰にも邪魔はさせない」「はは、なぁ、俺さ実は悔しいんだ」「ん?」誰にも打ち明けられなかった痛みをまさかこいつに言うことになるとは。


「あんたの自論は正しいと思う、でも、それが死ぬ理由があいつらなのが悔しい」俺は知らずの内に泣いてしまっていた。


「確かに悔しい。でもな、こう思えばいいんだ。今の社会、犯罪経歴持ちなんてやっていけない。いじめがダメとか言ってる教師もこれでお陀仏だ。無視したことをこれで証言してるからな。.....ザマァみろって。俺は証言者だ、お前の為に裁判にもたってやる。考えてもみろ、あいつラが雑魚とか死ねばいいとか言ってたお前のたった一つの命一つを代償に何十人っていう人間の人生が終わるんだ。おもしろいだろ?」聞いていてゾクッとした。怖さじゃない。こいつの言った通り面白いと思った。あいつラがさんざんバカにした俺が俺ひとりが死ぬだけで、あいつラが災厄な目に、死ぬよりつらい目にあう。そしてそのまんま死んでいく様が想像できて笑いがこみ上げてきた。


「それは.....傑作だ」「だろ?決断すんのはお前だ。俺は見守っていてやる」「ありがとう、そろそろ逝くとするよ」と言った途端、屋上のドアが開き、数人の教師が来た。


「おい、何してる!三沢、馬鹿な事は止めろ。お前を育ててくれた人達や、お父さんやお母さんもいるだろう!」「そうだ、いつか良いことがある、少し落ち着くんだ!」と勝手な弁論をダラダラと語り出す。


「はぁ、黙って聞いてりゃ...」と功が立ち上がって、

「何が良いことがあるだ、糞教師共!てめぇらだってこいつがこうなった原因の一つだろうが!助けを求めてんのに手を差し伸べず、自分らの名誉や地位に関わることをしようとしたら止めやがる!それにお前に関しちゃ、育ててくれた人だのなんだの心配してんのはそっちかよ!それじゃただ強制してるだけじゃねぇか!それにこいつは孤児院育ちで母親も父親も居ない!お前は担任なんだから知ってるはずだろうが!心にも思ってない御託並べてんじゃねぇぞ!お前も!良いことってなんだよ、いつかっていつだよ!今がつらいからこうなってんだろうが!それにその幸せも他人任せじゃねぇか!お前がそれに関与しようとしないんだったら今までと何も変わらねぇだろ!死にたい奴に生きさせるだけ生きさせてそのあとは放置かよ!おまえラが都合よく使う責任っていう言葉、自分たちができてねぇじゃねぇか!ふざけんじゃねぇぞ!」と怒鳴る。


「そんなこと、それに三沢が自殺したらそれを誘導した事で君も捕まるんだぞ!」と教師たちがいうが、

「別に構わない、こいつのためにそうなるなら俺もうちの組の連中も本望だ。それにお前らもただじゃすまねぇぞ。うちの組の連中や俺であんたたちがこいつの自殺の原因であるものを録画&録音してある。生徒たちも同様にだ。それに俺の親父は裁判官、俺が伝えて、尚且つすでに証拠の録音とかも見せてる。逃れると思うなよ?」と言った。俺はうれしくなってしまった。孤児院でも異端だったお陰で優しくされたことなんて無かったから。


「証拠?俺達が三沢の原因?そんなことあるはずが無いだろ!」と言った。今でも覚えている。俺はこいつラにさんざん言われている。忘れない。


「へぇー、じゃあ、これを聞いて貰いましょうか」と言って手に持っていた機械を押す。


すると、録音が流れて来た。

〈先生、僕いじめを受けているんです。助けてください〉〈ふーん、証拠は?〉〈え?〉〈その証拠はあるのかと言っているんだ〉〈え?だって先生、見てt〉〈証拠も何もないのにいじめなど抜かすな!そんなことで呼びやがって、私も忙しいんだ、そんなことで呼ぶな〉音声終了。

「QED、証明終了。これみてほんとにそう思うか?自分は関係ないと?言っとくがこれだけじゃ無いからな?」こういうと教師達は黙ってしまった。


「ほら三沢、これで思い残す事はないだろ?後は任せろ」と笑顔で言う。くっそ最後に泣かせるじゃねぇか。


「おう、ありがとな」といって、俺は飛び降りた。

今まで味わったことのない浮遊感。でも不思議といやじゃなかった。あいつの言った通り思い残すことはない。あいつのが教師たちに言った事ですっきりした。本当に........

「ありがとな」



あいつ三沢はあれで死んだ、顔は笑っていたらしい。


俺もそれ相応の罪に問われたが、色々やったし、うちの組の連中の協力もあって、罪は軽かった。

いじめてた奴らはひとり残らず少年院行きになった。


教師たちも関わった原因となった奴は全員解雇され刑務所行きになった。ザマァみろってんだ。

なぁ、三沢これで良かったよな。お前も楽に逝けただろ。安心して成仏しな。


三沢の墓参りはうちの組全員行った。本人の遺書の意志もあり墓はうちに組で管理する事になった。

俺からも言わせてもらうぜ。ありがとな三沢。

どうでしたか?

あらすじでも書きましたが理解してくれと言っている訳ではありません。

人間関係や人の悪いところなど俺が思うこと俺の理論思考を書いただけです。あしからず。

もし興味を持っていただけたら他の理論の事も書いてみようと思います。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ