33話 お礼
あとがきにお知らせがあります!
「さぁ、ティオ君、ここに腰掛けて?」
「え……は、はい……」
ギルドの奥の部屋へと連れてこられたティオ。
部屋はそれなりの広さがあり、ベッドが二つ並べられている。
ギルド職員の仮眠室といったところだろうか……?
そんな部屋のベッドに腰掛けたマリサ伯爵が、その隣をぽんぽんと叩いてティオを呼ぶ。
伯爵……それも妙齢の美女の呼びかけに緊張しつつも、彼女に従い隣に座るティオ。
すると、マリサ伯爵は静かにティオの手を握ってきた……。
「あの……伯爵様?」
いったい何を……?
ティオが問いかけると、マリサ伯爵は――
「ティオ君、魔族を倒してくれて本当にありがとう。あなたがいなかったら、今ごろこの都市は……」
――そう言って、瞳を潤ませながら、ティオにしなだれかかって……きたかと思えば、そのままティオと一緒にベッドに倒れ込んでしまった。
「は、伯爵様……!?」
突然の出来事に、戸惑った声を漏らすティオ。
そんなティオを見て、マリサ伯爵は「ふふふふ……っ」と笑うと、そのままティオに覆い被さりながら――
「ユリちゃん、スズちゃん、いらっしゃい?」
――と言って、この部屋にもう一つある扉の方を見る。
扉が開く。
すると、その中から〝下着姿の〟ユリとスズが現れたではないか。
「ティオ殿……」
「ティオさん……」
二人とも頬をピンクに染めながら、彼の名を呼ぶ。
またもや予想だにしない出来事に、ティオは「な……な……っ!?」と、口をパクパクさせてしまう。
「ふふふふっ……二人ともね、ティオ君に命を救ってもらったお礼がしたいそうよ? そして私は都市を救ってもらったお礼を……ね?」
妖艶な笑みを浮かべて舌なめずりをするマリサ伯爵。
そして恥ずかしそうに太ももをモジモジと擦り合わせるユリたちを見て、ティオはようやく状況を理解する。
まずい、食われる……!
ティオはその場から逃げ出そうとするも、覆い被さったマリサ伯爵が密着し、彼の顔に豊満なバストを、むにゅん……っ! と押し付け、その動きを奪ってしまう。
「ねぇ、いいでしょう? ティオ君は気持ちいい思いができるし、私たちは優秀な子種をもらえて一石二鳥なのよ?」
そう言って、蠱惑的な声で囁いてくるマリサ伯爵。
「ああ、ティオ殿ほどの実力者に抱いてもらえるなら……」
「うん、いっぱいお礼して……気持ちよくなってもらう……」
いつの間にやら、ユリとスズもベッドに上がり、ティオを挟み込むように位置取っている。
ゆっくりと胸の谷間からティオを解放するマリサ伯爵。
彼女の甘い匂いにやられ、ティオの意識は朦朧としてしまっている。
「ああ、ティオ殿の蕩けた顔、可愛いぞ……っ♡」
「うん……美味しそう……♡」
甘い声を漏らしながら、ティオの服に手をかけてくるユリとスズ。
そしてティオを見下ろしながら獲物を見るかのように瞳を細めるマリサ伯爵……。
そんな時だった――
「あ〜! ずる〜〜いっ!」
「私もティオさんとネンネしたいです〜!」
底抜けに明るい、二つの少女の声が響く。
「「「……ッ!?」」」
咄嗟に声のした方向を見るマリサ伯爵とユリ、スズ。
すると、部屋のドアからリリスとフェリスが入ってくるではないか。
(う、迂闊だったわ! まさか妖精さんたちが入ってくるなんて……!)
あちゃ〜! といった様子で頭を抱えるマリサ伯爵。
部屋には立ち入り禁止の札をしていたのだが、森で暮らしていたリリスとフェリスにはそれを読むことができず、そのまま入ってきてしまったのだ。
「まったく! ギルドの中を探検してたら、こんなことになってるんだもの!」
「そうです〜! ティオさんは私たちと一緒に寝るって決まってるのです〜!」
プリプリと怒りながら、ベッドに登ってくるリリスとフェリス。
(た、助かった……!)
二人の姿を見て、ティオは一気に脱力する。
この無邪気な二人を見れば、マリサ伯爵たちも気が削がれて諦めてくれるだろう……。
そう判断した……のだが――
「ねぇ、妖精さんたち? ティオ君と〝秘密のおネンネ〟してみない?」
――マリサがとんでもないことを口走り始めた。
「「「……ッッ?」」」
思わず彼女を凝視するティオ、ユリ、スズ。
マリサ伯爵は何を言っているのだろうか?
え? まさかこの純粋な妖精たちに〝そんなこと〟をさせる気なの……?
ティオたち三人はマリサ伯爵の考えにドン引きである。
「秘密のおネンネ!?」
「とっても面白そうです〜!」
言葉の意味を理解していないリリスとフェリスはノリノリだ。
「ふふふふっ……それじゃあまずは――」
そのまま手ほどきを始めようとするマリサ伯爵。
リリスとフェリスはワクワクといった様子で、彼女の方に寄り始める。
「何しようとしてくれてるんですかぁぁぁぁぁぁぁっ!」
「うちの子たちに変なこと教えないでくれるかしら!?」
今度こそ救いの手が差し伸べられた。
アイリスとベルゼビュートだ。
どうやら姿の見えないリリスとフェリスを探しにきたようだ。
「あ〜、これは今度こそダメね〜」
テヘペロっと、舌を出し、とうとう諦めるマリサ伯爵。
ティオはほっと息を吐く。
ユリとスズは「この疼きはどうすればいいのだ……?」「お預けプレイ……これはこれで……」などと言いながら、悩ましげに太ももを擦り合わせている。
【コミカライズのお知らせ】
本作『転生魔導王は、底辺職の黒魔術士が、実は最強職だと知っている』のコミカライズ企画が進行中です!
詳細など決まりましたら、続報をお届けしますので、ぜひお楽しみに!
【読者の皆様へ】
下にスクロールすると、作品に評価をつける【☆☆☆☆☆】という項目があります。
お楽しみいただけましたら、どうか応援していただけると嬉しいです!




