ガールズトークって怖いですよね…
「さぁ少女達!私とガールズトークをしようじゃないか!」
「あ、ヤヨイ先生、丁度いいところに…あれ?ハクリ君は?」
扉を通ると、ミルがキッチンで洗い物をしていた。意外と面倒見がいいようだ。
「あぁ。彼はこれからするガールズトークに相応しく無いからね。捨ててきたよ」
「捨ててきたって…外寒いんじゃないですか?」
「大丈夫大丈夫。冷めないように防寒魔法掛けてきてるから」
かなり上機嫌なヤヨイは、鼻歌交じりにリビングへと向かった。
「あ、ヤヨイちゃん。ハクリは?」
「ミャン・リヴァン。先生を『ちゃん』付けとは何事だ…まぁ悪くないから許可しよう。彼なら外で時間を潰しているぞ」
「え、それってハクリ、外で待ってるって事ですか?」
驚いたような顔をしながらそう問いかけるユリ。ヤヨイは気にする様子もなく話の輪に混ざった。
ー数十分後ー
「…そうか。君達は大変だなこれから」
「わ、私はそんなこたァ思ってねぇですよ!本気と書いてマジですよ!」
「お姉ちゃんも真面目に考えたらいいのに。あと何年かでみそ―」
「やめろシノア!私は出来ないんじゃないしないんだ!」
「それは……未婚者の…言い訳……」
ハクリのクラスの誇る美少女達のガールズトークとやらは最高潮に達していた。
もうすぐみそ……ヤヨイも自分の教え子と楽しげに話すことも出来て大いに満足していた。
しかし、この楽しげに話している女子とは他に、ブツブツと夜空の下で呟いている年頃の男子が1人……。
「ヒューマンではシンプルだし……ここはかっこよくいくか……いや、あまりカッコよすぎるとこの先がなぁ……」
種族協議会まであと十数時間……。ハクリの運命やいかに……




