表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
If.七種目の召喚者(イレギュラー)  作者: 石原レノ
始まりNew World
39/313

終戦…

2人の衝突と共にその周辺を襲った凄まじい振動は、辺りの木々を大きく揺らした。

「ははっ!君のクラスにこれだけ本気でやれる人がいるなんて思わなかったよ!」

「もっとだ!もっと我を(たぎ)らせろ!」

中級魔法が使えるルチヤに対して、肉弾戦と魔法の体制に長けたミルの空中戦は、近くに待機しているハクリ、ルリ、リリィ、シノアの意識を向けた。本来の目的を忘れそうになるほど凄まじく幻想的な戦いに、一同は言葉を失う。

第十八炎系魔法(ジルイグニス)

手を銃のように使い、火弾を放つルチヤ。ミルは避けるか手で弾き飛ばすと、簡単に回避してしまう。即座にミルはルチヤに接近し、肉弾戦へと移る。

「マスター!今のうちに行きましょう!」

「……あ、すまん。呆気に取られてた。各自に連絡。リリィ、シノア、頼んだ」

「了解です」

「任されたです」

「俺達も行くぞ」

その言葉と同時に、懐に入れてあった薬を一気に飲み干す2人。ルリが先行をきり、その後を別ルートでハクリが駆け出す。

「くそっ!ちょこまかと逃げるんじゃない吸血種(グノール)!大人しく木端微塵になれ!」

「いやだもーん!ほらほらーここだよここー」

竜人(グランドル)の女生徒の魔法攻撃を容易くかわすミャン。ユリは小柄を生かして茂みの中を逃げながら敵を引き付けていた。

と、いう事は事実ハクリとルリの対応ができる敵は0という事である。

「シノア、そっちの状況は?」

「ヒノンさんが察知している敵影は2つで、どれも私達の陣地を探している最中です。もう少し大丈夫そうです」

「2人?それは間違いないのか?」

敵陣地に居たのは5人。はじめ2人をユリとミャンが無力化し、未だ動けずにいる。そしてまた1人ずつ相手をしており、残りの1人をミルが相手をしている…。シノアの言っていた人数を合わせると合計7人。そして、この種族競技会に出るためには8人でないとならない…1人足りない。

「ルリ!ちょっと待て―」

「あらあら。こんな所に堂々と倒されに来た殿方がお1人居ますわ…」

声がした方へ視線を向ける。しかし、誰もいない。辺りを見回すが、戦闘中の連中しか眼中に捉えず、ハクリは焦った。

「そう探さなくても、(わたくし)はここに居ましてよ?ほら、ここに…」

その言葉と同時に、魔法陣がひとつ、ハクリの足元に形成される。

その魔法陣が垂直に上へと上がっていくにつれて1人の女生徒が姿を現した。

「お初にお目にかかります。(わたくし)、この学校の竜人(グランドル)を締めくくる会長をしておりますシグレと言います。以後お見知りおきを」

ニコッとあたかもどこかのお嬢様のような笑みを浮かべる女の子。ハクリは返す言葉もなかった。

「な、何で…俺の姿が見えるのか?」

「えぇ…これまたバッチリと。無抵抗で旗を取りに来るとは、さぞ自信がおありの方だと受け取ります」

シグレにそう言われ、自身を見回して見ると、シノアの薬は全く効いておらず、自身の姿は丸見えだった。

「嘘だろ…薬が効いてないってのか…」

(わたくし)もこのクラスを占める長として、それ相当の事はしなくてはなりません…どうかご覚悟を」

動けずにいるハクリは、逃げ出すことも出来ずに足を震わせていた。自分のせいで全てが終わってしまう事を悟ったからだ。

ハクリにシグレの拳が当たろうとした時―

「っ!ルリ!?」

とっさに閉じた目を再び開けると、ルリがシグレの拳を受け止めていた。

「間に合いました。大丈夫ですか?マスター」

「あ、あぁ……ってお前!姿丸見えだぞ!」

ハクリが目視できるという事は、薬が効いていない証拠だろう。ルリは目の前にいるシグレを睨みつけた。

「マスターに何してくれてんですか…」

(わたくし)はルールに乗っ取って行動しています。恨まれるような事はしていませんよ?」

「マスター。多分私はこの方と戦闘になります…タイミングを計って……後は分かりますね?」

ボソボソとハクリにそう告げたルリ。ハクリは言葉で返さず、静かに頷いた。

今まで見た事がないような真剣な顔をするルリ。シグレはお構い無しに襲い掛かった。

空気を揺らす肉弾戦が二方で行われる。ハクリは隙を見計らうように眺めていた。

「あなた、ただの新種族(イレギュラー)ではありませんね?」

「さて、何のことでしょうか。ルリはマスターのルリであって、普通の新種族(イレギュラー)ですよ?」

シグレの腕を掴み、空高く投げ飛ばしたルリ。ハクリはその瞬間を逃さなかった。

「今しかないっ!」

一気に駆け抜けたハクリ。敵の旗までは数十歩ほどの近距離。これからの人生が掛かっているとなると、ハクリの足は自然と早く動いた。

「ふふっ。そうはさせませんわ…第八十三雷系魔法(イブリールギラグランデ)

一瞬で形成された上級魔法の魔法陣から凄まじい雷がハクリの元へと向かう。ハクリはそれを確認することもなくただ目の前の旗を目掛けて走っていた。

このままでは直撃してしまう。誰もがそう思ったその時だった。

偽装第五十六緑系魔法(ギリューラダミー)

突如ハクリの頭上を大きく覆った巨大な大木で出来た障壁は、シグレの雷を遮った。耳を襲う巨大な爆発音と共に、ハクリは旗を掴み―

「これで……終わりだ!」

バキッとへし折った。

爆発音で静まり返った辺りを、試合終了のブザーが鳴り響く。

「そこまで。試合終了、勝者ミュードクラス」

どうもおはこんにちこんばんわ!石原レノです!

今回初めて戦闘シーンを書いてみた訳ですが…全く慣れていない自分に極度に落ち込みました(´・ω・`)

慣れるためにはヒタスラ書くしかない…そう思いながら今後も続けていきたいと思います(`・ω・´)キリッ

不慣れで読みにくい原稿をお読みいただき、ありがとうございます!

ご感想募集しております!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ