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If.七種目の召喚者(イレギュラー)  作者: 石原レノ
全てが変わる日…変えようと誓った日
305/313

If〜もしもの話〜ルリと切って落とされた幕 その3

「なぁ」

「何ですか?」

枯れそうな声でルリが答える。結局掃除は終わったものの、時間は一人でやる時の2倍はかかった気分である。そして今2人がいるのは学園の屋上。ゆうやけこやけの赤とんぼーー

「お前って何で俺のところに来たんだ?」

「え…」

ハクリの何気ない質問に、ルリは呆気に取られてしまった。そんなルリに気が付かず、ハクリは話を続ける。

「いや、あの日お前が来てから何となくここまで来たけどさ、実際ルリが俺の所に来た理由がまだ分からないというかさ…その…なんというか……」

「……そうですね。私がマスターを選んだのは……」

ルリはそこで言葉を詰まらせる。今のハクリに、この対応の意味は理解できない…いや、理解する時ではないという方が正しい。

「…私が……私が」

「……」

さすがのハクリも何かを察したようで、見つめていた夕焼けに背を向け、階段へと向かう。

「…まぁいいけどさ。俺は今のこの生活に満足してるし、何より俺を迎えに来てくれたお前に感謝してるしな」

「マスター…」

「さ、早くヤヨイ先生に謝りに行こうぜ。さっきの口論でまた壷割っちゃったのは上手く誤魔化してさ」

「……はい!」

夕焼けに照らされた雫。ルリは我が主の元へ駆け抜けていく。

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