If〜もしもの話〜 ルリと切って落とされた幕
「マースター!」
「ほべ!?」
登校早々いきなり体当たりを喰らうハクリ。体が後方に飛ばされ、壁に背中を叩きつけられた。
「いってぇな!なんだよ朝っぱらから!」
「マスターとの親睦を深めるために大事なことですよ!体で伝えてるんですよ!」
「それなら普通タックルとかしないよね!?」
…夫婦漫才(誰が結婚しているか)は良しとして、今日はハクリとルリは早登校の日である。何故こんな事をするのかと言うと、率直に言えば日直だからだ。時間までに色々な準備やら簡単清掃などを行う係である。ハクリのクラスは人数が少ないため、この日が来る頻度はそう少ない訳では無い。
「ったく…こんな事してる場合じゃないだろ。早く取り掛からないと間に合わん」
「今日やるのは掃除とプリントですよ!ヤヨイ先生が授業分のプリントをさっき持ってきて、人数ごとに分けるようにって言ってました」
「なら手分けしてやるか…俺はーー」
「私はーー」
「「プリント整理をします(する)」」
「「……」」
「「俺が(私が)プリント整理」」
「「……」」
黙ったまま目線をそらさない二人。どうやら意見の食い違いが起きたようだ。
「……マスターに事務的な作業は厳しいですよ。ここは私に任せてください!」
「ルリにやらせるの手違いが起きるかもだし、ここは俺がやるよ」
「「……」」
両者食い下がる訳もなく、何やかんやでいきなり凄まじい争いが繰り広げられる。




