表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
If.七種目の召喚者(イレギュラー)  作者: 石原レノ
全てが変わる日…変えようと誓った日
279/313

生み出す者

まだニノが歩みを覚えた頃…ニノは幸せな家庭に恵まれていた。いわゆる貴族というやつで、それはそれは繁栄していたようだ。

しかし、それはニノが2歳になった頃、唐突に崩壊する。

突如現れた自然災害と称される魔獣の群れの進行により、ニノの住む街は殆どが跡形もなく砕け散った。後にニノが知った真実は、とある人間による魔術交渉の失敗だった。この真実を機に、ニノは人間社会に不満を募らせる事になる。

家も身寄りもないニノは、毎日の寝床と食べ物を気にする生活を仕方なく送っていた。

ある日、ニノがいつものように店のものを万引きし、捕まってしまうという事件が起きた。この時捕まったニノは国籍がなく、大人達の暴力の対象となってしまう。再びニノの不満感が大幅に募っていく…それと同時に意識が無くなっていく……その時だった。何かを思い出したように、ニノは俺の名を呼んだのだ。

「へへっこいつ腹パン一発で意識飛ばそうとしてるぜ」

「気付けにもう1発入れてやれよ」

「……シ…ルフ」

昔から何もかも嫌いだ。幸せそうなやつも俺の周りを歩くやつも俺を罵るやつも…誰一人俺の気持ちを分かるやつなんてーー

「……」

ニノは気が付かなかっただろうが、俺は確かにニノの側でニノを見ていたのだ。幼い頃はよく一緒に遊び、親に話しても存在を信じてもらえなかった……。しかし、ニノの心情が不安定になった時、俺はニノに見られなくなった。


ー今必要なのはお前じゃないー


遠回しにニノがそう言っているような気がした……


「ニノ…お前は俺を覚えているか?」

「……シルフ…俺は……」

「口調も男っぽくなっちまって…小さい頃はあんなに可愛いお嬢様だったのにな」

「シルフ…俺には……お前がーー」

「あぁ……分かってる。俺はお前が生み出した神の獣だ…お前に初めて会った時から…俺はお前のものだ」

多分この言葉はニノには届いていないだろう…そして、自分の力には到底気が付かないのだろう……

「お前の力は暴走させない。俺みたいな神の獣は……俺だけで十分なんだ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ