ユアの可能性
「えーっと…確かここに」
廃墟の中を歩き回るユア。先程ハクリからの連絡で、大勢の命が失われた事は頭に入っている。そして、その後の可能性についてもだ。
だからユアはここに1人で来た。ハクリの言う可能性を求めて……
「誰だお前」
「……いた」
そしてその可能性に辿り着いた。ニノとシルフ。ユアの求めていた人物で、聞き込みのみの情報を頼りに、やっとの事で辿り着いた可能性だ。残す対象はこの2人しかいない。いや、もしかしたら……
「あいつらの仲間だってんなら今すぐここで殺してやる。さっさと来いよ!」
「…誰だか分からんが俺達はイライラしてんだ。もしあいつらの仲間なら……容赦なく殺すぞ?」
「私はあなた達の敵じゃないし、争う気もないよ」
「信じられるかよ!こんな所にあんたみたいな女が一人で来る事なんて有り得るわけがねぇ!」
「…焦ってるんだね。それと、怖がってる」
「んだと?」
「大切な人が居なくなって、悲しいんだよね?」
「……」
「…ごめん。今日は帰るね」
「……」
黙り込むニノに背を向ける。今はあまり刺激してはいけない。ユアの中で考えは固まっていた。
「必ず、助けるから……」
誰にも聞こえないような声で、一人呟くのだった。




