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過剰殺戮
神速とも言える容赦ない斬撃がガリヤを襲う。気がつけば体のあらゆる所に切り傷を負っていた。
「流石にやるな…」
「まだ余裕でしょう?その体だと刃が通りませんから」
確実にダメージを与えているものの、決定的な確信がないのが事実だ。無論、その強靭なまでの肉体を前に、アオイの刃は早くとも威力はあまり期待出来ない。
「いくらその体でも、数を重ねればいつか…」
「そんないつまでも攻撃させると思うか?あんまり舐めてっと痛い目みるぜ?」
「舐めているのはあなたの方でしょう」
逆手に持った小太刀を握りしめる。
「行きますーー」
踏み込もうとした所で、足の力が失われる。その場にひざをついてしまう。
「これは……っ!」
「俺がただ単に攻撃を受けたままだと思ったか?少しずつ……気づかれないように足にダメージを与える事くらい、この俺にとっては十八番なんだよ」
「あなた……まさか武装技術を……」
足に力が入らない。歩く事さえ今はままならない状態だ。そんなアオイを見て、ガリヤが笑みを浮かべる。
「これが俺の技術。過剰殺戮だ」




