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戦犯
次々に迫り来る刀身を、アオイは難なくかわしていく。一撃でも喰らえば致命傷。かかる重圧を相当なものだ。
「へへっ……逃げ専のクロノとは大違いだなぁ。お前とやるのは楽しい」
「良いのですか?そんなに油断していて」
かわしつつ一撃を放つ。ガリアの硬さもなかなかのものだが、アオイの戦闘スキルはそれ同等かそれ以上だ。近接武器と遠距離武器との相性は、どちらかがそれにあった距離を取ればそっちに傾く。アオイは1度ハンドガンに組み戻した後、腰に携えた短剣を再度、技術により大剣に組み替える。
「……いきます」
ほぼ同等の力で交わる長刀と大剣。どちらも引かず、鍔迫り合いが始まる。
「いいねぇ…いいねぇいいねぇ!」
「っく……」
ここに来て男女の差というものが出てしまった。力負け故に後方へ押し飛ばされてしまう。
「まだ終わんねぇよな?え?」
「……」
余裕を顔に浮かべるガリヤはゆっくりと歩み寄ってくる。体制を整えたアオイは大剣型の柄から真の刀身を抜き出す。小太刀を手に取り、ガリヤへ向ける。
「…これからですよ。あなたのその脳筋スタイル…私の速さについてこれますか?」




