鉤爪の刃
「……」
いつか、クラスメイトに教えてもらった通りのやり方で……
「意識を…集中させて」
自分はなんのために今ここにいるのか…
「第十八炎系魔法!」
一か八かで放った魔法は正常にはたらく。魔力が呪いによって増幅しているせいもあるが、これでハクリも魔法が使えるようになった。
無数の炎の弾丸がツバメの元へと伸びていく
「え!?隊長魔法使えるの!?」
「おうよ!これで俺もやっと魔法デビューじゃ!」
「……」
ハクリがはしゃぎ立てる中、アオイは複雑そうな顔をしている。
「アオイさんどうかしたのですか?」
ツバキにそう呼ばれ、我に戻ったアオイ。
「…いえ、なんでもありません」
今の言葉は嘘だ。自分はこうしていていいのか…そんなことが頭をよぎる。
「ツバメ!どう避ける!」
「え!?えぇ!?……んーと…えーと……あぁもう!知らない!こうしてやる!」
右手の鉤爪が赤く光をともす。思いっきり右手を振りかぶったと思いきや、そこから放たれる光の刃。それが無数の火の弾丸と接触し、互いに消滅した。
「お、お前そんなことできたのかよ」
「もぉ!とっておきで驚かせようと思ったのに!」
近距離限定だと思っていたツバメの鉤爪が、まさか遠距離も兼ね備えていたとは……
「こりゃこの前みたいにいかないかもな」
今更ながらフェイクをツバメに教えた先程の自分を恨んだ




