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偶然
「んー……ここかな?」
多くの者達が安らぐ夜の街…ユアは一人歩いていた。理由は単純で、寝床を確保最中なのである。収穫が多くあった本日、疲れも相当なもので、ユア自身精神的にもダメージを受けていた。しかし、ここで自分がめげてはいられない…。
何とかしてハクリを……自分にとって大切な人と一緒にいたい。今のユアの頭の中はこれでいっぱいである。
街の住民に聞き回ったところ、ここしか宿はないらしい…少し古い感じもするが、今は贅沢を言っていられない。
「お部屋は3階になります…ごゆっくり」
指定された部屋へと向かう…。疲れが限界に達してきたのか、まぶたが重く感じる。それでもここで倒れるわけにはいかないので、何とか意識を捉えていた……がーー
「……ユア?」
「……隊長?」
同時に放った異なる言葉……ユアの眠気は一気に覚めていった。




