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適役
ハクリ達の目的はただ1つ。間違った道を歩もうとしている者達を正すことだ。この役目を担って一つ気がついたことがある。それは、まだ年が若い者がそういう考えを持つことが多い事。今ハクリの目の前にいる人物は共通の憎しみを有しており、そして全員が若者だ。皆が過去に醜い経験をしており、話を聞くだけで苛立ちが抑えられない。
「…なるほどな」
ある兄弟の話を聞き終わり、ハクリがそう相槌をうつ。こうして全員の話を聞き終えたハクリだったが、イマイチ実感がわかないのが真実だった。
ハクリのような年代からすると多少解らない所が多々ある事がある……それでは足りないのだ。
「……アオイさん」
「はい…何でしょうか」
「ツバキとツバメを呼んでください」




