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お調子者
「いやぁまさか本当に事故とはなぁ!」
「……」
「てかニノ!お前こいつにボコられたんだって!傑作!傑作だわ!」
「……」
「この女もなぁんか気ぃ強くてよ!こぇえの!こえぇの!」
「……」
先程までとはまったく違い、男はハイテンションでばしばしと背中を叩いていく。何も返せない各々はその身を任せるが、苛立ちを覚えたことに疑いを持たなかった。
「おいシルフ。いい加減にしろ。俺は別に本気を出したわけじゃーー」
「神獣になったんだろ?お前の本気じゃねぇかwww」
「この…てめぇ……」
陽気な顔と目を細めた顔が対峙する。今にも戦いの幕が開きそうなこの空気…ハクリとアオイはどうすればいいのかが分からずにいた。




