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不意打ち
「ここは……」
あたかも罠と言うべきか。アオイがたどり着いた場所は変に広く間取りがされたある空間だった。警戒を兼ねて手に持ったライフルを構える。物音一つ立たない静かな空間の中で、見える限りアオイ一人が慎重に足を進めて行った。
「今頃隊長は大丈夫でしょうか……」
少しでも気を紛らわすために、独り言を漏らす。あの後から連絡が一切ない事から、最悪な展開を何度が予想していた。その度に「大丈夫」だと無駄な邪念を振り払う。この孤立した空間は、そんな不安感でさえ増幅させているような気さえした。
そして、不意に感じる僅かな人の気配。アオイはそれを見逃さなかった。
「誰ですか」
その先に銃口を向け、この上ない警戒体制をとる。ゆっくりと気配は自分に接近し、その姿がーー
「はいゲームオーバー」
「なっ……」
うなじ目掛けて振り下ろされた手刀。アオイはそのまま気を失うのだった




