魔弾
「おっと」
重く大きい一撃がハクリに目掛けて伸び、それを軽く避け切る。1度くぼんだ地面は、即座に修復されていった。
「あいつの他に魔法を使うやつがいるのか…厄介だな」
「ブツブツと抜かしてんじゃねぇ!大人しくくたばりやがれ!」
「口が悪いのは感心しないな…」
魔力量が増えたハクリだったが、それだけでは魔法は駆使できない。脳内容量が乏しいハクリは、未だに限られた魔法しか使えないのである。
「使わせてもらうぞ…リラン」
腰に携えた魔力砲弾式のハンドガンを構える。魔力による魔弾の生成が可能になるため、今のハクリには相性がよかった。
「そんなオモチャが俺に通じると思うなよ」
「オモチャは子どもが遊ぶものだぞ。坊ちゃん」
ハクリの挑発にまんまと引っかかった擬似神獣は、その両の手をハクリめがけて振り下ろす。しかし、それをかわしたハクリは、魔法陣を形成し、魔法を発動。
「第三聖系魔法」
身体能力が向上し、擬似神獣の腕を駆け抜け、一気に顔まで接近する。
「体がデカイ分動きはのろまだなぁ坊ちゃん」
実弾は使わず、あえて威力が低い魔弾を発砲する。両の目を目掛けて螺旋を描く銃弾は、真っ直ぐに目的の目へと着弾した。
「ぐあぁぁあ!」
中身は少年のはずなのに、叫び声は獣を連想させるものだった。その場で目を抑えながらもがき苦しむ擬似神獣を前に、ハクリは距離をとる。混乱のせいで暴れ周り、周りを破壊する。しかし、破壊された部分はすぐさま修復されていく。その一連の流れを、ハクリは暇そうに見つめていた。
「くそっ!お前なんかにこの俺が…」
「自意識過剰なのはご立派なものだな。これで分かっただろ?俺とお前は格の差があるんだ」
「くそっ!これで終わりだと思うなよ!まだだ!まだだぁ!」
その言葉と共に、擬似神獣の体は再び発光する。
「第2Rか…準備がいいものだ」




