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ハクリの限界と向上値
四方八方から、変形した廃墟の一部がハクリ目掛けて伸びかかる。
「くそっ…」
それをギリギリのところでかわし続け、魔法を使っているであろう本人達を探すために駆け抜ける。どうやら体そのものの能力値が上がっているようで、アオイの訓練では得られない自分の限界値を超えていた。これも【命の担保】さえなければ良かったのだが……。
「あ……」
そんな考え事をしたせいだろうか、自分の目の前に迫ってきている石の塊に、触れようとしたところで気がついた。もうダメだと意識がはっきりと告げる……しかし、体は諦めていなかった。
ーーガシャーン…ッ!
「……まじか」
咄嗟に出した右手に阻まれ、動きを止めた変形した廃墟の一部は、ハクリの手により日々いってしまっていた。ここまで来ると自分の限界が知りたくなるが……
「こんなことしてる暇じゃないな」
さらに奥へと、宛もない捜索を再開した。




