行動と思考
左目に記された刻印に触れる。今でも分かるあの魔力が溢れ出すような感覚。それに伴い、担保として自分の命が減っていく。しかし、そんな真実を目の当たりにしても、ハクリは動じなかった。細かくいえば、そん事よりもあの時はユア達のことが心配だった。そして、ユア達の安全を確認した時、ハクリは別の事を考えもした。スライクが去り際に口にした。今の状況下の自分では呪いを解除できないという言葉。それは確実にこの組織の事だろう。元々ハクリはリランの追試とやらを受けるための準備としてこの組織にいる。目的を果たそうとしているうちにそれが増えただけの事…そう思っていた。しかし、本心からして、いつの間にかハクリはここに居たいと思っていた。それは無意識で、それでも確かなものだった。
「隊長……」
「あぁ分かってる。今は目の前の事に集中しないとな」
俯いているハクリを見て察したアオイが、慰めるように声をかける。ハクリはいけないと思いながら、両の頬を叩いた。
「行こう…情報によればここだな」
「あくまで信ぴょう性はありませんが、このまま途方に暮れるのも無駄な事です」
ハクリとアオイが居るのは、とある廃ビルの前。辺りは廃ビルや廃屋だらけの場所で、滅多に人は近づかないという……だからこそ、ここは調べる価値がある可能性があるのだ。
「単独行動はやめて、二人で探そう。何がちるかわからない」
「了解です」
「じゃあ……




