役割決め
さて、捜索が始まってはやくも数時間が経過しようとしていた。ハクリ達情報班の掴んだ情報はまだごく僅かだが、確実に真実へと近づいていた。そして、対象を滅することしか脳のない特攻班も、目的の場所に到着していた。
「ここが今回の仕事場か…腕がなるねぇ」
「あまりは目を外すなよ。お前はやりすぎるから困る」
「それが俺の力なんだ…仕方ないだろ」
とある草原地帯で、二人の男は会話を交わす。すぐ側では仲間達が準備を進めており、自分達もその枠に入らなければならない。しかし、自分達には、この街を見る必要があったのだ。だから見続けるし、誰もこの行為に文句をつける奴はいなかった。
「どうだ?なんか見えたか?」
「いや…まだ分からん。来たばっかで土地勘もなければ、この街一人一人を見たことがないからな…やはり捜索するしかなさそうだ」
「お前のその力…特攻班じゃなくて情報班よりなんだよな……」
「おれには力がある…力だけなら特攻班並だ。それは知っているだろう?」
そう言われた事により、言わされた男は鼻を鳴らす。
「とりあえず…まずは恒例行事から行こうか…力だけなら、特攻班なんだろ?」
「…ふん。今回は俺がこの仕事を引き受ける。お前だけじゃない。他の誰にも譲らん」
「お、始まるか…お前ら準備を始めろ!そろそろ始めるぞ!」
2人が戦闘態勢に入ったのを確認し、準備をしていた者が号令をとる。その瞬間、皆自分の荷物をその場に置き、同じように戦闘態勢に入った。
「……さぁ始めようか。今回の仕事の役割分担をーー」




