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密告
「現状報告を」
「只今情報班が捜索中です。発見まではもう少しかかるかと……」
「そうか…まぁ発見してしまえば俺達が瞬殺してさっさと帰ることになる。首を長くして待つに限るさ」
移動用のヘリの中で、数人の男と女は思い思いの会話を交わす。武器を持つもの持たないものと、個性豊かなそのヘリ内は、陽気さを装っていながらもどこか張り詰めているようだった。そんな中、一人の男が立ち上がり、班の全員の注意を自分に向ける。
「到着まであと数十分。俺達がやることはたった一つだ。それは言わなくてもわかるよな?」
「…対象の殲滅」
「生存はありえない」
「殺す……」
異なる回答でも根源は同じ…そんな不気味な人物達……もとい特攻班の会話はいつもこんな感じだ。




