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訳あって
「てめぇ…自分が何しようとしてんのか、分かってんのか?」
「う、嘘だろ…ここは森の奥地と大差ないんだぞ……」
自分では成人と歌っていても、イヨは迷子になる事が多々あった。だから俺が前もって持たせておいたものに、魔術的な発信機を仕込んでおいたのである。そのお陰でたどり着けたまでだ。見たところ、イヨに害はなく、むしろ俺の目線は男のおかしい行動に移った。
自分の服に手をかけ、脱衣しようとしていた。それが意味することは一つしかなく、俺の感情は怒りで染あがる。
「お、落ち着け!俺は何もーー」
「あ゛ぁ?その行動を見てどう信じろってんだよ。身の程を知れ変態が」
自分の手上に魔法陣を形成し、もう既に痛めつける体制である。男の言葉を信じたら負けである。
「そこを動くなよ。俺の嫁にあたる」
「へ!?嫁!?この子が!?」
驚いたような反応をする男。まぁ気持ちも分かる。俺だって信じ難い。
「とりあえず動くな。一発で仕留めてやるからさ」




