If 〜もしもの話〜イヨと誰かの新婚生活その5
「さて、誘拐に成功したはいいけど、これからどうすっかなぁ」
目の前で気絶している少女を前に、男は異様なまでの感情を秘めながら、その欲を必死に押さえつけていた。
「うぐ…まてまて。お楽しみは後だ。今は逃げるのが先決だしな」
自分の腹部くらいしかない身長の少女イヨを抱き抱え、男は歩みを進めていく。これで何人目だろうか……。時には失敗した事だってある。しかし、この欲だけは自分でも抑えが聞かなかった。気が付けばやっているのだ。
「しっかし…道中でこの子を見かけたのはラッキーだったよなぁ。祭りに来て正解だったぜ」
不気味な笑みを零しながら、どんどん人気のない道を進んでいく。目的地まではそう遠くない。そして、そこに着いてしまえばこちらのものである。
「あの兄貴も災難だよなぁ。そして不用心だ。この子をひとりで待たせるなんて…まぁそのお陰で簡単だったんだけどな」
気分が高揚しているせいか、今の自分は口数が多い。そんなことを思いながらも、口は止まらなかった。
「……さて、着いたぞ」
イヨを優しくベッドに寝かせ、男はニンマリと気持ちの悪い笑みを浮かべた。息は荒くなり、手は気色悪く動く……。
「…ふっ」
男の手が、イヨの頬に触れる。すべすべの肌に手が当たり、イヨは意識がなくとも少し不快そうな顔をした。
「…さぁ……始めようか…」
男は自分の服に手をかけた……




