拝啓僕は異世界に行くそうです
皆さまお待たせしました。
「うっし。クリア」
この家に引き篭もり出してはや2年。昔から体も強く3日間何も食べずにずっとゲームをしてた腐りきった時期もあった。
気がつけば辺りは日差しが差し込もうとしている時刻。くまができた目を擦りながらゲームのシナリオを進めていく。
「四徹か……まぁ俺にかかれば楽勝だけどな……ん?」
今この青年が行っているゲームはソフト型のゲーム。そのはずなのに不意に広告が表示されていた。
不審に思いながらも、不注意にその広告をクリックすると、見た事の無いWebへとジャンプした。
「……これは」
『人工知能投入型アンドロイド販売』と大きく書かれたWebページ。
「人工知能投入型アンドロイド。名の通り話して学ぶアンドロイドです。あなたの話し相手にするも良し、恋人にするも良し……っておい。恋人って…………良いなそれ」
引き篭る前から他種族と恋に落ちる話の類は好きだった。機械、もといアンドロイドでも例外ではない。
「値段は…………げっ、くっそたけぇな」
普通の学生ではとてもとても出せる額ではない…………普通ならばの話だが。
即座に購入をクリックする青年。天狛李は背もたれに身を預け、深呼吸をする。
つまらない世界だ。論理性を強調され、世間は多数派が正しいと言い張る。正義の為と人を拘束し、間違いなら金を出してさようなら。そんなものを見ると虫唾が走る。
「はぁ…………つまらん」
「そうでしょう!そうでしょう!」
背もたれから勢いよく体を起こす。
狛李の部屋には本人以外誰も居ないはず。そのはずなのに何処からか声が聞こえるのだ。
とんでもなく怖い。
「おやおや?もしかして怖がってますか?ふふ〜私も捨てたもんじゃありませんねぇ!」
「だ、誰だ!隠れてなんてずるいぞ!姿を現せ!」
「そんなに私が見たいんですか?恥ずかしいですねぇ……よしっじゃあ行きますよ!」
その瞬間目の前のパソコンの画面が割れ、眩い光が漏れ出す。
「なっ……!」
一瞬で辺りが見えなくなり、咄嗟に目を閉じてしまう。もう何が何だか分からない。
「初めましてマスター!」
「……は?」
恐る恐る目を開けると、自分と目の前にいる謎の少女。その周りを数え切れない程の数字が行き交っていた。
テレビで見る電脳世界のような感覚である。
狛李の事をマスターと呼ぶ少女は元気そうな眼差しで真っ直ぐ狛李を見ている。
と、いう事は狛李がマスターと呼ばれたらしい。
「マスター?俺が?」
狛李がそう問い掛けると少女は満面の笑みを浮かべながらこう言った。
「はい!マスターは私のマスターです!そして私のマスターには新しい世界に来てもらいます!」
「??」
だめだ。まったく意味がわからない。そんな狛李に構わず相変わらずの元気口調で少女はこう言った。
「ご購入ありがとうございます!これから貴方を新しい世界へお連れしますね!」
そして再び視界は眩い光によって奪われたのだった。
どうも!おはこんにちこんばんわ!石原レノです。
まずはすいませんでした。あんな大口を叩いておいて、結局ここまで引っ張ってしまったことをお詫び申し上げます。
最後に、これからも石原レノの作品をよろしくお願いします!
これから先、この作品『If.七種目の召喚者』をよろしくお願いします!
追記:この作品は1〜3日毎の19時に更新致します!