足
「いったたた……」
「何よ…何が起きたの?」
よろよろと傷ついた腕を抑えながら、ユア達は瓦礫の中から姿を現す。死なない程度に痛めつけられたようで、あまり早くは動けないが何とか歩ける。
「いきなりアイツが発動した魔法が…そうだそれよ!」
ハッとしたようにツバメがそう告げる。
第六十三地系魔法により、広範囲の地面が変形。シャーマックの巧みなコントロールにより、ユア達は先程も言ったように【死なない程度】に痛めつけられた。シャーマックの意図は分からないが、一応は助かったのである。
「あれ…ツバキがいない」
「え!嘘でしょ…」
焦りを顔に浮かべ、血相かいてツバキを捜索し始める2人。目的の人物は、いとも簡単に見つかった。
「……」
「……」
二人してとある一点を見つめる。そこには、もがき苦しむ細い足が見える。上半身は穴にハマってしまったのか、その下半身である足だけが、そこから抜け出そうとバタバタともがいていた。が、しかし……それだけではどうしようもない。
「…これどうする?」
「いやいや、これ明らかにツバキちゃんだよ!助けなきゃ!」
協力してその足を抜き取る。思いの外簡単に抜けた足、それにくっついていたツバキの上半身は案の定泥だらけである。
「っぷはぁ…き、死ぬかと思いました……」
「……そうね」
「とりあえず隊長のところに向かおう!何かあったかもしれない!」




