If 〜もしもの話〜 ミルと地獄の猛特訓その2
「あぁ…死゛ぬ゛…」
「全く…ハクリ君はもろいから困るなぁ」
「お前それ俺がもし死んでたら言ってたか?」
「あっはは!そんな冗談!言うわけないじゃん!多分!」
「多分かよ!?そこは言うなよ!」
あの恐ろしい肉弾戦(特訓)も区切りがつき、地面に横たわるハクリ。あんなに暴れ回ったのに、ミルはケロッとしているから恨めしい。
「ってか、いきなりどうしたのさ。稽古してくれなんてさ」
ミルの何気ない質問に、ハクリはギクッと肩を揺らす。あまり知られたくない理由故、その表情には微かに焦りが感じられた。
「あ、わかった!他の女の子にはとても言えないわけだね!」
「そういうことを言い当てるのは上手いよな……バカなのに」
ぼそっと言われた最後の言葉を聞き、ミルはムッとへそを曲げる。
「バカとは何さ。僕だって真面目にやってるんだよ?」
「……あ、そう」
「何で適当なのさ!」
「とりあえず俺はこのままじゃ駄目なんだ。ミル以外に頼めるやついないんだよ」
「そう…ならそれ相当のお礼をしてもらわなくちゃね」
何か変な事でも考えているのか、ニヤニヤと変な笑みを浮かべているミル。
「俺ができる範囲ならな……」
「へいへーい。この僕に任せておいてよ」




