達成の元
「始めよう…私達の攻撃をーー」
瞬間、今度はユアが先陣を切って駆け抜けた。多少の焦りを覚えたツバメとツバキだったが、これもまた作戦の一環なのだと気持ちを抑える。
「ツバメちゃん!」
「……分かった。なら私はーー」
言葉を交わさずとも意思の疎通ができる2人は、無言の会話で自分たちの意思を告げる。ユアに続いたツバメが駆け出し、ツバキはその後方に駆け抜ける。
綺麗な一列に並んだユア達を前に、シャーマックは笑いをこらえきれない。
「あっははは!何それ子供の遊びかなにか!?」
「笑えばいい…これが私達のやり方だから!」
踏み込みを入れて跳躍するユア。既に弓を引いていたのか、今すぐに打ってくるモーションだった。
「あまいあまいあまいあまい!無理無理無理無理!無駄無駄無駄無駄!無謀無謀無謀無謀!何度も繰り返してきただろう!?」
「確かに…そうだね。あなたの防御壁は本当に凄い。だから私達はあなたにまだ一撃も与えられてない…いや、細かく言えばダメージを与えられてない。でもね…それでも私達はーー」
今までより強く、強く弓を引く。覚悟を秘めた眼差しは誰よりも光り輝く源となる。覚悟や勇気の糧となり、ユアの矢を、より一層強くーー
「臨終…第二矢」
放たれた矢は黄橙の光色を放ちながら突き進む。
「だから何度やっても無駄だってのっ!」
「そう上手くいくものじゃないよ」
いつも通り魔法陣を形成する。そしていつも通りに防ぎきれるはず……だった……
「あるぇ?」
ユアの放った矢が魔法陣に触れた瞬間、その形がどんどん歪になっていく。まるで……何かを吸い取られているようにーー
「第二矢は触れたものの魔力を吸い取る。魔法陣は魔力を形づけたものの一つ…よって、あなたの防ぎ方じゃ防ぎきれない」
「あらら…でもまぁ避ければいい事だよね」
「そうはいかないわよ!」
「へ?」
体を捻らせることで攻撃をかわしたシャーマックだったが、その背後には既にツバメが回り込んでいた。右手に装備された鉤爪がギラりと光る。
「一撃目!」
「ごふぅおっ!?」
切り裂くというよりは殴りつけた感じの鈍い音。それと共にシャーマックの体は空中へと放られる。それだけでは留まらないのが、ツバメとツバキの連携力だ。
「に、二激目…です!」
「え……ちょまぐへぇ!」
再び聞こえた鈍い音…次は地面に向けてツバキが大剣の峰を打ち付ける。
「いってぇ……ってて……あり?」
「これで終わり。今度こそーー」
待つ時間を与えず、ユアが臨終の矢を放つ。
それを見たシャーマックは、何故かこの時不敵な笑みを浮かべた。
「座標方向位置関問題皆無……ふひっ」
「?」
「えい!」
咄嗟に放たれた二つの魔弾。一つは矢を完全に弾き飛ばした。
そして、もう一つの弾丸がユアの頬をかする。
「……あれ?あの方向ってーー」




